【2025年10月月次レポート】SBI・J-REIT(分配)ファンド(年4回決算型) 速報の「125円増配」と、月次レポートが示した“堅調な足取り”
はじめに
先日の速報記事でお伝えしたとおり、
SBI・J-REIT(分配)ファンドの第6回分配金は 125円 に増額されました。
初回の50円から始まり、
80円 → 120円 → 今回125円と、
ほぼ毎回増配を実現している流れは非常に心強いものです。
その背景には、
J-REIT市場全体の回復と、このファンドの安定した運用があります。
今回の月次レポートは、その「増配の裏付け」を示す内容でした。
この記事では、
速報(増配)と月次(運用状況)をつなげて読み解くことで、
長期投資家が押さえておきたいポイントを整理していきます。
J-REIT市場の動き:静かに続いた“回復の流れ”
2025年10月のJ-REIT市場は、前月比+41ポイントと堅調でした。
- 高市政権(金融緩和姿勢)が追い風
- オフィス空室率の改善
- ホテル・商業施設の稼働回復
- 不動産市況の底打ち
どれも派手な材料ではありませんが、
「大きく下がらず、じわじわ上向く」という、
長期投資家にとって心が落ち着く地合いが続きました。
基準価額と純資産:増配にふさわしい堅調な数字
- 基準価額:11,009円(前月比 +281円)
- 純資産総額:80.30億円(+約7億円)
基準価額が上がりながら純資産も増えている点は、
投資家の資金が流入している証拠です。
「値上がり」+「資金流入」= 市場が評価している
という構図が見て取れます。
速報で伝えた「増配125円」は、
こうしたファンドの確かな基盤に支えられたものでした。
増配125円の“裏側” ― どこから利益が生まれたのか
今回の分配金は、資料でも明記されている通り
受取配当金の範囲内(元本の取り崩しなし)。
つまり、純粋に
J-REIT本来の賃料収入と、ファンドの運用成果が作り出した実力の増配です。
背景としては:
● 物流(ロジ)系REITの強さ
- 賃料の上昇
- EC需要の底堅さ
- 稼働率の改善
三井不ロジ、日本ロジ、GLPなどが牽引。
● ホテル・商業施設の正常化
- 観光需要の回復
- イベント・外食の盛り上がり
星野リゾート、ジャパンホテルなど。
● オフィスの底打ち感
- 都心の大型リース回復
- 空室率の改善
JRE、日本ビルファンドなどが堅調。
組入銘柄の調整:分配“安定”を優先する動き
10月は、運用面で2つの動きが目立ちました。
● ユナイテッドアーバンを買い増し
分配金の上方修正を発表したタイミングで追加投資。
これは非常に理にかなった判断。
● GLPの一部売却
9月に増配が反映されたことから、利益確定を実施。
過度に偏らず、バランスを整える姿勢が見える。
分配金利回り:4.26%を維持
マザーファンドの分配金利回りは
4.26%と高水準を維持。
利回りが微減したのは、
ファンドの価格が上がったためであり、
配当原資はむしろ増えています。
今後の見通し ― “走らず、崩れず、積み上がる”相場へ
懸念は「金利上昇」ですが、
現状の金融環境では急激な利上げは想定されていません。
- オフィス空室率は改善傾向
- ホテルは高稼働
- 物流賃料は上昇
- 商業施設も回復モード
これらが下支えとなり、
J-REIT市場は“急騰しない代わりに、急落しづらい”環境が続きそうです。
まとめ ― 速報と月次が同じ方向を示している
今回の記事で最も大切なのは、
速報と月次レポートが示す方向性が一致している点です。
- 速報:分配金125円の増配(好材料)
- 月次:基準価額・純資産ともに堅調(裏付け)
- 市場:極端な強弱なく、静かに回復
これは、
“結果とその理由がちゃんと噛み合っている”
ということです。
短期の上げ下げで不安になる必要はありません。
ファンドは、
- 分散
- 安定賃料
- 各セクターの回復
に支えられ、静かに力をつけています。
焦らず、比べず、自分のペースで。
長くつきあう資産として、
とても扱いやすい形になっています。


