今さら人に聞けない投資用語!『順張り』『逆張り』ってなに?
はじめに
投資の世界には、
「順張り(じゅんばり)」「逆張り(ぎゃくばり)」
という言葉があります。
SNSやニュースでよく耳にする用語ですが、
いざ意味を説明しようとすると
「なんとなくはわかるけれど、はっきり言えない…」
そんな人も多いのではないでしょうか。
この記事では「順張り」と「逆張り」の違いを分かりやすく整理し、
それぞれのメリット・リスク、そして初心者がどのように向き合えばよいかを解説します。
焦らず、比べず、自分のペースで読み進めてみてください。
① 順張りとは?──上がっている流れに“乗る”投資法
順張りとは、
値上がりしている銘柄を買うこと、
または
値下がりしている銘柄を売ること(空売り)
を指します。
例えるなら?
校庭でみんなが右に走り始めたとき、
「自分も右に走る」
そんなイメージです。
すでに流れができているため、
動きが読みやすく、初心者にも理解しやすい方法です。
順張りのメリット
- 上昇トレンドに乗れれば利益が伸びやすい
- 動きが視覚的にわかりやすい
- 大勢の投資家が同じ方向に動くため心理的に安心しやすい
順張りのデメリット
- 高値づかみになる可能性がある
- 流れが急に反転すると損失が大きくなる
- 「今から乗っても遅い?」という判断が難しい
初心者が一番やりがちなのは、
“上がっているから買う → すぐ下がってしまう”
というパターンです。
② 逆張りとは?──下がっているときに“あえて買う”投資法
逆張りとは、
値下がりしている銘柄を買うこと
または
値上がりしている銘柄を売る(空売りする)こと
です。
市場の動きに対して「逆」にポジションを取るため
この名前がついています。
例えるなら?
教室でみんなが一斉に右に動いたとき、
一人だけ左に動くイメージです。
正しい方向に動いていれば大きな利益になりますが、
間違えると“みんなの流れに押しつぶされる”こともあります。
逆張りのメリット
- 割安な価格で買える可能性がある
- 反発が起きると利益が大きくなることがある
- 感情に振り回されにくく、冷静な判断が必要な分“上級者向き”
逆張りのデメリット
- 下落が止まらない場合、損失が大きくなる
- 「まだ下がるのでは?」と不安になり精神的負担が大きい
- 企業分析の知識が必要
とくに注意したいのは、
逆張りは初心者ほど“ただ安いから買う”になりがち
という点です。
値下がりしている理由が改善しないと、
そのまま株価が沈み続けることがあります。
③ 順張り vs 逆張り:どっちが正しいの?──投資の世界に“必勝法”はない
よく聞かれる質問ですが、
結論はとてもシンプルです。
どちらが正しい、という答えはない
自分の性格や投資スタイルと相性の良い方を選べばいい
なぜなら、投資は「確率」で動く世界だからです。
そして市場の環境や、銘柄のタイプによって
相性は大きく変わります。
順張りが向く人
- 流れを読むのが得意
- チャートを見るのが好き
- 勢いがある方が安心できる
- 「しっかり上がってから買う」タイプ
逆張りが向く人
- 淡々としていて感情に振り回されにくい
- 下がっている時こそ冷静になれる
- 企業の本質価値を見極める分析が好き
- 流行や勢いに乗るのが苦手
順張り・逆張りは、
あなたの性格に合わせて選ぶ方がうまくいきます。
④ では、初心者はどう考えればいい?──長期投資なら“どちらでもない”という選択肢がある
ここが大切なポイントです。
あなたの投資スタイルが
「長期投資」「積立投資」「インデックス投資」であれば、
順張り・逆張りを深く心配する必要はありません。
なぜなら、これらの用語は
短期売買の文脈で使われることが多いからです。
長期投資の中心にあるのは「時間」と「分散」
順張りでも逆張りでもなく、
- 毎月コツコツ積み立てる
- 市場全体に分散する
- 時間を味方につける
この3つが長期投資の王道です。
「流れに乗るか」「逆らうか」という短期判断は、
長期投資とはあまり関係がありません。
⑤ それでも知っておく意味はある──感情を整理する“言葉のツール”として
投資には、どうしても感情がつきまといます。
- 上がると買いたくなる(順張り)
- 下がると買いたくなる(逆張り)
この2つの衝動は、
実はほとんどの投資家が体験する感覚です。
順張り・逆張りという言葉を知っておくと、
「いま自分がどの心理で動いているか」
を落ち着いて見つめる手がかりになります。
つまり、
言葉を知る → 行動を観察できる
行動を観察できる → 感情に飲まれにくくなる
これは初心者が自分の投資を整えていくうえで
大きな力になります。
おわりに──“どちらが正解か”ではなく、“どちらが自分に合うか”
順張りと逆張りは、
投資の世界で昔から使われてきた基本用語です。
しかし、
どちらが正解かを決める必要はありません。
大切なのは、
あなたが安心して続けられる投資スタイルを見つけること。
- 流れに乗るのが好きなら順張り
- 落ち着いて拾うのが好きなら逆張り
- 売買判断をしたくないなら長期積立
どれを選んでも構いません。
投資は「他人の正解」を真似するものではなく、
“自分のペースで理解し、納得して続ける”ための営みです。
今日もゆっくり、あなたのペースで。
少しずつ言葉を覚えながら、投資の世界に慣れていきましょう。


