今さら人に聞けない投資用語!『ROE(自己資本利益率)』ってなに?
はじめに
投資の本や企業分析の記事を読んでいると、
必ずと言っていいほど登場する言葉があります。
それが ROE(自己資本利益率) です。
「ROEが高い企業は優良」
「ROEを重視して銘柄を選ぼう」
こんな表現を見て、
- なんとなく大事そう
- でも正直よく分からない
- 今さら聞くのは恥ずかしい
と感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、
ROE(自己資本利益率)とは何かを、
専門用語に振り回されない形で解説していきます。
焦らなくて大丈夫です。
「完璧に理解する」より、「なんとなく使いどころが分かる」ことを目指しましょう。
① ROE(自己資本利益率)の読み方と意味
読み方
ROE(Return on Equity)
日本語では
アール・オー・イー
または
自己資本利益率(じこしほんりえきりつ)
と読みます。
意味を一言で言うと
「株主が出したお金を、どれだけ効率よく利益に変えているか」を表す指標です。
② ROEはどうやって計算するの?
ROEの計算式は、次のとおりです。
ROE = 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100
と言われても、ピンと来ないですよね。
なので、数字を使ったイメージで考えてみましょう。
例:ある会社のケース
- 株主から集めたお金(自己資本):100億円
- 1年間で出した利益(純利益):10億円
この場合、
ROE = 10 ÷ 100 × 100 = 10%
となります。
つまりこの会社は、
株主から預かった100億円を使って、1年で10億円の利益を生み出した
ということになります。
③ ROEが高い会社は「何がすごい」の?
ROEが高いということは、
- 少ない自己資本で
- 効率よく
- 利益を生み出している
という意味になります。
たとえるなら、
- 同じ畑の広さなのに
- たくさんの作物を収穫できる農家
のようなイメージです。
投資家の目線では
ROEが高い企業は、
- 経営がうまい
- ビジネスモデルが強い
- 利益体質である
と評価されやすくなります。
④ ROEはどれくらいあれば良いの?
よく目安として言われるのは、
- ROE 10%以上:優良企業とされやすい
- ROE 15%以上:かなり高い水準
です。
ただし、
これは すべての業種に当てはまる絶対ルールではありません。
業種による違い
- 銀行・商社:ROEが高めになりやすい
- 電力・鉄道:ROEは低めでも安定的
- 製造業:中間的な水準が多い
そのため、
ROEは「同じ業種同士で比べる」ことがとても大切です。
⑤ ROEが高ければ安心?注意したいポイント
ここがとても重要なところです。
ROEは便利な指標ですが、
ROEだけを見て投資判断するのは危険です。
注意点① 借金が多いとROEは高く見える
ROEは「自己資本」を分母にしています。
そのため、借金を増やして自己資本を小さくするとROEは簡単に高くなります。
つまり、
借金をたくさんしている会社でも、ROEが高く見えることがある
という点には注意が必要です。
注意点② 一時的な利益でもROEは跳ね上がる
- 資産売却
- 為替差益
- 特別利益
こうした一時的な要因でも、
ROEは一気に高くなります。
そのため、
- 何年も安定して高いのか
- 今年だけ高いのか
を見ることがとても大切です。
⑥ ROEはどう使えばいい?初心者向けの考え方
ROEは、
単体で使うものではなく、他の指標と組み合わせて使う
のが基本です。
一緒に見たい指標
- ROA(総資産利益率)
- 自己資本比率
- 営業利益率
これらと合わせて見ることで、
- 効率よく稼いでいるか
- 無理な借金をしていないか
- 本業が強いか
が見えてきます。
⑦ ROEは「会社の姿勢」を映す鏡
ROEは単なる数字ではありません。
- 株主のお金をどう扱っているか
- 利益をどう生み出しているか
- 経営の考え方はどうか
といった、
会社の姿勢そのものが表れやすい指標です。
だからこそ、
- 高すぎても警戒
- 低すぎても理由を考える
という、
「一歩引いて考える姿勢」 が大切になります。
まとめ
最後に、ROEについて大切なポイントを整理します。
- ROEは「株主のお金をどれだけ効率よく増やしているか」を見る指標
- 目安は10%以上だが、業種ごとに見ることが重要
- 借金や一時的な利益で高くなることがあるので注意
- 他の指標と組み合わせて使うのが基本
ROEは、
「知らなくても投資はできるけど、知っていると景色が変わる」
そんな指標です。
一気に覚えなくて大丈夫。
気になる企業を見たときに、
「ROEってどれくらいだろう?」
と立ち止まれるようになれば、それで十分です。
今日も、焦らず、比べず、
あなたのペースで学んでいきましょう。


