今さら人に聞けない投資用語!『ベンチマーク』ってなに?
はじめに
「投資信託の商品説明を読んでいたら『ベンチマーク』という言葉が出てきたけど、よくわからない…」「なんとなく聞いたことはあるけど、具体的な意味は知らない」という方も多いのではないでしょうか?投資の世界では頻出する用語ですが、初心者にはなじみが薄いかもしれません。そこで今回は、投資用語「ベンチマーク」について、わかりやすく解説します。
ベンチマークとは?
ベンチマークとは、「投資の成果を測るための基準」のことです。具体的には、投資信託やETF(上場投資信託)がどれだけ上手く運用されているかを評価するために用いられる「目標値」や「比較対象」となる指標のことを指します。
たとえば、以下のような指標がベンチマークとして使われます:
- 日経平均株価(日本株全体の指標)
- TOPIX(東証株価指数、日本株の動きを示す)
- S&P500(アメリカの主要500銘柄の動きを示す)
- MSCIコクサイ指数(日本を除く先進国の株式市場の動きを示す)
これらの指標と運用実績を比較することで、運用の成否を判断します。
ベンチマークを使う理由
投資においてベンチマークが重要なのは、「投資がどれだけ成功しているか」を判断する基準になるからです。
1. 運用成績を客観的に評価できる
ベンチマークがあれば、商品がどれだけ成果を上げているかを数字で確認できます。たとえば、投資信託の成績がベンチマークの動きよりも良ければ「優秀な運用」と判断できます。
2. 運用方針を把握しやすくなる
投資信託の商品説明には必ずベンチマークが記載されています。これを確認すれば、その商品がどの市場や地域に投資しているかがわかります。
例:
- 「S&P500をベンチマークにする」投資信託
→ 米国の大型株に投資している。 - 「MSCIエマージングマーケット指数をベンチマークにする」投資信託
→ 新興国市場に投資している。
ベンチマークの種類
ベンチマークには、大きく分けて以下の2種類があります。
1. 株価指数型ベンチマーク
株式市場全体の動きを示す指数をベンチマークとするものです。
- 例:日経平均株価、TOPIX、S&P500、MSCIワールド指数
2. 債券指数型ベンチマーク
債券市場全体の動きを示す指数をベンチマークとするものです。
- 例:NOMURA-BPI(国内債券総合指数)、Bloomberg Barclays US Aggregate Bond Index
ベンチマークとインデックス運用の関係
「ベンチマーク」という言葉は特にインデックス運用(パッシブ運用)で頻繁に使われます。インデックス運用とは、ベンチマークと同じ動きをするように運用する手法です。
インデックス運用の例
たとえば、S&P500をベンチマークとするインデックスファンドは、S&P500に含まれる500銘柄をベンチマークと同じ割合で組み入れます。そのため、S&P500の値動きとほぼ同じ成績を目指します。
アクティブ運用との違い
一方、アクティブ運用は、ベンチマークを上回る成績を目指して運用します。つまり、アクティブ運用ではベンチマークが「勝つべき相手」として設定されます。
ベンチマークのチェックポイント
投資商品を選ぶときは、以下の点を確認しましょう。
- どのベンチマークを使っているか?
→ 商品の運用方針やリスクを知るために重要です。 - 運用成績がベンチマークを上回っているか?
→ 特にアクティブファンドでは必ず確認すべきポイントです。 - ベンチマークに対する乖離(トラッキングエラー)が小さいか?
→ インデックスファンドでは、ベンチマークと運用成績がどれだけ一致しているかが評価基準になります。
まとめ
「ベンチマーク」とは、投資の成果を測る基準となる指標のことです。投資信託やETFを選ぶ際にベンチマークを確認すれば、その商品の運用方針やリスクがわかりやすくなります。また、インデックス運用ではベンチマークとの一致度が重要な評価ポイントとなります。
今後、投資を始める際は、ぜひ「どのベンチマークを使っているか?」を確認する習慣をつけましょう。