ゴリラ先生のやさしい投資教室│第36回【補習授業】 下落は未来のリターンを大きくするって本当？ドルコスト平均法と“仕込み期間”の考え方

よいところに気がつきましたね。では今日は、前回の補習として“下落と未来のリターンの関係”を、あらためていっしょに学んでみましょう。以前お話ししたドルコスト平均法の内容も思い出しながら進めていきますよ。

それは自然なことですよ。人は“損したくない”という気持ちがとても強いのです。
ただ、株価というのはいつも上がり続けるわけではありません。上がったり下がったり、まるで呼吸のように動きます。

ええ。下がるときがあるからこそ、また上がるときもあるのです。下落そのものは、投資にとって“普通のこと”なんですよ。

では、前にお話ししたドルコスト平均法を思い出してみましょう。毎月同じ金額で投資すると、価格が高い時は少し、安い時はたくさん買えるという方法でしたね。

その“量の差”が、未来のリターンを押し上げる大切なポイントなのです。

はい。まず上がっている時は、たとえ高くても毎月きちんと買っているので、上昇の勢いに遅れずついていくことができます。
一方、下がっている時は同じ金額でもたくさん買えますから、平均取得価格が下がり、回復したときの伸びが大きくなるのです。

その通り。“相場がどちらに動いても続けられる”という安心感が、積立投資の最も大きな魅力のひとつなのです。

では例を考えてみましょう。たとえば、ある月は1200円、次の月は900円、その次の月は1100円というような動きだったとします。

ええ。でも積立投資では、900円のときにたくさん買えた分、全体の平均取得価格が下がります。
そして1100円に戻った時、その“安く買えた分”が利益を押し上げてくれるのです。

そう感じるのは自然ですが、急落の時ほど“未来の伸びしろ”が生まれることがあります。
たとえば1000円の株が700円まで急落したとしましょう。その時に積み立てていた人は、700円でたくさん買えますね。
そして価格が1000円に戻れば、その差が一気に利益を押し上げるのです。

ええ。もちろん“未来は誰にも分かりません”。ですが、“安くたくさん買える”という事実が、未来のリターンを大きくする力になることは、歴史が示しているのです。

投資は“価格のギザギザと仲良くなる”ことが大切です。価格が動くのは普通のこと。
上がっても、下がっても、積み立てを通じてその動きを味方にできるということが、何よりの安心につながります。

下落は、未来のための“仕込み期間”と考えることができますよ。
たとえば農家の方も、収穫ばかりが仕事ではありませんよね。種をまき、育てる時期が必要です。

種まきがあるから実りがあるのです。
積立投資も、それと同じですよ。

下落は悪いことではなく、積立投資においては未来のリターンを大きくする要素にもなります。

ドルコスト平均法は、上げ相場でも下げ相場でも、どちらでも前向きに取り組める方法でしたね。
人の心はどうしても値動きに振り回されますが、仕組みを知っていれば落ち着いて判断できるようになります。
焦らず、比べず、自分のペースで。理解はあなたの投資を長く支えてくれますよ。

それが何より大切なことです。今日もよく頑張りましたね。