【臨時レポート】SBI・J-REIT(分配)ファンド(年4回決算型) 第6回決算速報:分配金は過去最高の125円、安定増配を継続
はじめに
2025年11月7日、SBI・J-REIT(分配)ファンド(年4回決算型)の第6回決算が発表されました。
今回の分配金は1万口あたり125円(税引前)と、前回の120円からさらに増配。
設定来で見ると、わずか1年半で合計475円の分配となり、年換算利回りは約3.75%に達しました。
J-REIT市場全体が回復基調にある中でも、同ファンドは安定した収益構造と低コスト運用により、カテゴリー平均を上回るパフォーマンスを維持しています。
分配金の推移と評価
以下は、これまでの分配実績です。
| 決算期 | 分配金(1万口あたり) | 備考 |
|---|---|---|
| 2024年8月 | 50円 | 初回分配 |
| 2024年11月 | 50円 | 横ばい |
| 2025年2月 | 50円 | 横ばい |
| 2025年5月 | 80円 | 増配 |
| 2025年8月 | 120円 | 大幅増配 |
| 2025年11月 | 125円 | 最高水準更新 |
設定来合計:475円(設定来約4.75%)
5月以降の増配基調が続き、特に直近3回で分配水準が大きく上昇しています。
その背景には、
- 不動産賃料の回復と分配原資の拡大
- インフレ局面でのREIT収益力向上
- 運用会社による安定的な分配方針
といった要素が挙げられます。
などが挙げられます。
運用実績とパフォーマンス
- 設定来騰落率:+15.89%
→ カテゴリー平均(+15.86%)をわずかに上回る。 - 年初来騰落率:+25.30%
→ 同期間の平均(+25.08%)を上回り、堅調。
分配金を除いた基準価額も安定推移しており、
「インカム+キャピタル」両面でのリターンがバランス良好です。
信託報酬は業界最低水準
本ファンドの信託報酬は年0.099%(税込)。
これは国内J-REITファンド159本中でも最安水準であり、
長期保有におけるコスト負担の小ささが評価ポイントです。
コスト面での効率性は、分配金の安定支払いにも寄与しています。
分配金の原資と健全性
今回の分配金も、運用収益(受取配当金など)からの支払いが中心。
特別分配金(元本払戻)ではなく、実質的な“稼いだ利益”による分配である点が重要です。
これは、「高分配=元本切り崩し」という誤解を避けるうえでポジティブな要素。
運用報告書でも「受取配当収入等の範囲内で支払う方針」を明示しており、
健全な分配姿勢を維持しています。
今後の見通し
J-REIT市場は、依然として金利上昇懸念を抱えつつも、
インフレ対応資産としての注目度が高まりつつあります。
特に、
- 都心オフィス賃料の底打ち
- 物流施設や住宅系リートの安定収益
- 国内不動産の相対的な割安感
が投資家の追い風になっています。
短期的には日銀の政策動向に左右されやすいものの、
長期目線では「安定インカム資産」としての位置づけは変わらないと見られます。
投資家へのメッセージ
今回の増配は、SBI・J-REITファンドが“安定的な分配”を重視する運用姿勢を裏付ける結果です。
インデックス型の強みである低コスト運用を維持しながら、
収益性と透明性の両立を図っている点が評価できます。
一方で、J-REIT市場は依然として金利動向に敏感な資産クラスです。
ファンドの分配水準が永続的に上がり続けるとは限らず、
あくまで「安定的な配当収入を得る資産の一部」として位置づけることが大切です。
筆者の感想
今回のSBI・J-REITファンドの決算は、
「派手ではないが、信頼できる堅実な結果」といえます。
金利上昇や不動産市場の波が続く中でも、
“手堅く・静かに・確実に”分配を積み上げている点は、長期投資家にとって心強い材料です。
「安定して増えるもの」は、いつの時代も強い。
まさに、時間を味方につける資産運用の好例といえるでしょう。
まとめ
- 第6回分配金は125円(過去最高)
- 3期連続の増配で、安定成長を継続
- 信託報酬は年0.099%(税込)と業界最低水準
- 分配原資は運用収益中心で健全性良好
- J-REIT市場は金利影響を受けやすいが、長期の安定インカム資産として注目継続


