今さら人に聞けない投資用語!『分散投資』ってなに?

はじめに
「投資は自己責任」とよく言われますが、その前提として「知識があること」が求められます。とはいえ、いざ投資を始めようとすると、聞き慣れない専門用語のオンパレードで戸惑う人も多いのではないでしょうか。
今回は、そんな「今さら人に聞けない」用語のひとつ 『分散投資』 について、初心者にも分かりやすく解説していきます。
分散投資ってそもそもなに?
一言でいうと、リスクを減らすために投資先を分けることです。
たとえば、あなたが1社の株に全額を投資していた場合、その会社が業績不振で株価が暴落すると、大きな損失を被ります。
しかし、10社に分けて投資していた場合、そのうち1社が下がっても、他の会社の株価が上がっていればトータルではダメージを抑えられるかもしれません。
つまり分散投資とは、「全部を一つのカゴに入れない」というリスク管理の基本戦略なのです。
具体的にどんな分散があるの?
分散投資にはいくつかの種類があります。主に以下のような「分け方」が考えられます。
① 銘柄分散(企業の分散)
特定の企業に集中せず、複数の企業に投資する方法です。たとえば、トヨタとソニーと三菱UFJといったように、違う業種の会社に分散することで、一つの企業や業界が不調でも全体への影響を小さくできます。
② 業種分散(セクター分散)
業種が偏ると景気の影響をモロに受けてしまいます。たとえば自動車業界ばかりに投資していると、燃料価格の高騰や景気後退でまとめて下がる可能性があります。金融、エネルギー、IT、ヘルスケアなど、異なる業種に分けることでリスクヘッジになります。

③ 地域分散(国・地域の分散)
日本だけでなく、米国、欧州、新興国などに投資を分けることで、各国の経済状況や通貨の変動リスクを抑えることができます。たとえば、日本が不況でも米国が好景気であれば、米国株が下支えになってくれることがあります。
④ 時間分散(ドルコスト平均法)
一度にまとめて買うのではなく、定期的に少しずつ買っていくことで、購入価格を平準化する手法です。これによって「高値掴み」を防ぎ、長期的にはリスクを抑えた資産形成ができます。

分散しすぎも要注意?
分散投資にはリスクを抑える効果がありますが、分散しすぎると逆に効率が落ちることもあります。
たとえば、100社に少しずつ投資してしまうと、もはや市場全体を持っているような状態になります。その場合、個別株を選んだ意味がなくなり、インデックスファンドに投資しているのと変わらなくなります。
また、あまりに細かく分けすぎると、管理が煩雑になり、手数料や税金の計算も複雑になります。
そのため、「分散はほどほどに」が鉄則です。
分散投資をするには何を使えばいい?
インデックスファンド(投資信託)
初心者にとって、もっとも手軽に分散投資ができる方法です。
たとえば、S&P500に連動する投資信託なら、アメリカの主要500社にまとめて投資しているのと同じ効果が得られます。
ETF(上場投資信託)
ETFは投資信託の一種で、株のように市場で売買できます。日経平均連動型や米国高配当株ETF(例えばSCHD)など、さまざまなテーマに沿った分散投資が可能です。
ロボアドバイザー
「自分で考えるのが面倒」という人にはロボアドバイザーも選択肢です。自分のリスク許容度に合わせて、分散ポートフォリオを自動で組んでくれるサービスです。
ただし、手数料は割高になりがちなので、利用の際は要注意。
おわりに
分散投資は、投資の「守り」を固める基本的な戦略です。
たとえ初心者であっても、この考え方を取り入れるだけで、投資の失敗リスクはぐっと小さくなります。
「全部を一つのカゴに入れない」――このシンプルな原則を意識して、コツコツと資産を築いていきましょう。