今さら人に聞けない投資用語!『純資産総額』ってなに?

はじめに
投資信託のページを見ていると、よく出てくる「純資産総額」という言葉。
基準価額と並んで重要そうに見えるけれど、「何を表しているのか、いまいちピンとこない…」という方も多いのではないでしょうか。
今回は、投資信託における「純資産総額」とは何なのか、初心者にもわかりやすく解説します。
純資産総額とは「ファンド全体のお金の量」
純資産総額とは、その投資信託がいまどれくらいの資産を運用しているかを示す数字です。
言い換えると、「みんながこの投資信託に預けているお金の合計額」のようなものです。
たとえば、あるファンドの純資産総額が100億円であれば、
そのファンドには投資家から集められた資金が100億円分あるということを意味します。
純資産“総額”なのに「総資産」じゃない?
ここが少し紛らわしいポイントです。
「純資産総額」は、「ファンドの資産から借金やコストを差し引いた“純粋な”運用資産」のこと。
つまり、
純資産総額 = 総資産 − 負債
という計算になります。
投資信託では通常、借金はほとんどしないので、ほぼ「保有している株や債券などの時価評価額の合計」と考えて問題ありません。
なぜ純資産総額が注目されるの?
では、なぜ投資信託を見るときに「純資産総額」が重視されるのでしょうか?
理由は大きく3つあります。
① 人気のバロメーターになる
純資産総額が大きい=多くの人から資金が集まっている、ということ。
つまり、「人気のあるファンド」だという目安になります。
ただし、「人気=優秀なファンド」とは限らないので、他の指標と合わせて判断することが大切です。
② 運用の安定性が高い
純資産総額が小さいファンドは、資金の出入り(資金流出入)によって基準価額がブレやすくなることがあります。
また、一定の規模に満たないファンドは繰上償還(途中終了)となる可能性もあります。
たとえば「純資産が3億円以下の状態が続くと終了検討」と明記されているファンドもあります。
③ コストの効率性が上がる
ファンドの運用には、信託報酬などのコストがかかります。
純資産総額が大きければ、その費用を多くの投資家で分担できるため、効率的な運用が可能になります。
純資産総額が増える=良いファンド?
一概にそうとは言えません。
確かに、純資産が増えるのは「人気がある」「安心感がある」といったプラスのイメージにつながりますが、以下の点には注意が必要です。
- 一時的なブームで急増しているだけの可能性がある
- 中身(投資先の質)が変わっていないか確認が必要
- あまりにも巨大になると機動的な運用が難しくなることもある
あくまで参考指標のひとつとして見るのが良いでしょう。
こで確認できる?
証券会社のファンド詳細ページや運用会社の公式ページにて、
「現在の純資産総額」はリアルタイムに近い数字で確認できます。
また、多くのサイトでは1カ月前・1年前との比較(増減)も表示されています。
「純資産がじわじわ増えている=人気と信頼を集めている」と読み取ることができます。
まとめ
- 純資産総額とは、投資信託が運用している資産の合計額のこと
- 人気の指標・運用の安定性・コスト効率の面から、重要な指標となる
- ただし「純資産が多ければ絶対に良い」とは限らないため、中身の確認も忘れずに
- 投資信託を選ぶときは、基準価額・信託報酬・運用成績などとあわせてチェックしよう