ゴリラ先生のやさしい投資教室│第32回 為替の基本を学ぼう!円高・円安の仕組みと長期投資の考え方
スーツとメガネがトレードマークの、頼れるお金のナビゲーター。
知識は豊富だけど説明はやさしく、質問には真剣に向き合ってくれる。
今日もハルトとミナミの“なぜ?”に、穏やかに答えてくれる先生。

YouTubeで見たFIRE動画に憧れて、投資に興味を持った13歳。
テンバガーや仮想通貨にすぐ飛びつく、元気でちょっとビビりなタイプ。
まだ投資は未経験で、ミナミやゴリラ先生に教わりながら勉強中。
SNSで投資を知り、「お金の勉強って大事かも」と思い始めた13歳。
慎重派で、定期預金や貯蓄型保険に安心感を覚えるタイプ。
ハルトの勢いに振り回されつつも、一緒に少しずつ学んでいる。
はじめに

今日は“為替(かわせ)”について勉強していきましょう。
かわせ?ニュースで“円安が進んでます”とか聞くけど、正直よくわかんないんだよなぁ。
私もです。円高・円安って、どっちがいいとか悪いとか聞くけど、いまいちピンときません…。

ニュースでよく聞く言葉ですが、意外とよく知らないという人は多いかもしれませんね。
今回もなるべく分かりやすく解説していきます。
為替の基本ってなに?

まず、“為替”というのは簡単に言うと「お金とお金を交換すること」です。
え、交換?

そう。たとえば日本のお金(円)と、アメリカのお金(ドル)を交換するときに使うのが“為替”なんです。
じゃあ、たとえば1ドル=150円っていうのは、1ドルをもらうのに150円必要ってことですか?

その通り!ここまでは難しくないですね。じゃあここで問題です。
『1ドル=150円から、1ドル=100円になったら、これは円高?円安?』
うーん…ドルを買うのに必要な円が減ったから…円が強くなったってこと?

正解です!それが円高(えんだか)です。
じゃあ、逆に1ドル=100円から1ドル=150円になったら、円の価値が下がるから“円安”なんですね!

そのとおり。円高は“円の価値が高くなる”、円安は“円の価値が安くなる”ということなんです。
言葉にしてみると分かりやすいですよね。
なるほど〜。円が強いとか弱いとか言うのは、そういう意味なんだね。
円高と円安で何が変わるの?
でも先生、それって私たちの生活に関係あるんですか?

もちろんありますよ。たとえば円安になると、海外のものを買うときに値段が上がります。輸入品が高くなるからです。
あー、最近ニュースで「円安でガソリンが高くなった」って聞いたことある!

その通りです。逆に円高になると、海外の商品が安く買えるようになります。2011年頃は歴史的な円高だったので、輸入品が安く買えましたね。
ボクたちが生まれる前の話だな~。

これが日常生活への影響です。では次に、投資にどう関係するか見てみましょう。
投資と為替の関係
投資と為替って、どうつながるの?

たとえば、ハルトくんはアメリカの株(S&P500)に投資していますよね。
うん。ボクはドルで投資してるってことになるんだね。

その通り。だからドルの価値が上がる=円安になると、円に換算したときの資産が増えるんです。
逆に、円高になるとドルの価値が下がるから、円に換算すると資産が減る…ということですね。

正解です。つまり、外国の資産に投資していると、“為替の変動”で資産の見かけが増えたり減ったりします。
それが“為替リスク”ってやつか!

よく覚えていましたね。その通りです。
為替リスクは怖い?
でも、“リスク”って言うとなんか怖い感じがします…。

たしかに、短期では不安に感じる人も多いですね。でも、長期で見れば“味方”になることもあるんです。
味方?どういうこと?

たとえば10年、20年と積立投資をしていると、円高のときにも円安のときにも、毎月同じ金額で投資を続けますよね?
はい。ドルが高いときも安いときも、同じように買い続けることになりますね。

そう。それをドルコスト平均法といいます。価格が安いときに多く、価格が高いときに少なく買う仕組みです。
つまり、円高でドルが安いときにいっぱい買えるから、長い目で見れば得することもあるってこと?

その通りです。これが長期投資では為替リスクが味方になる理由です。
為替と複利の関係
でも先生、為替が動くと投資の複利も変わるんですか?

いい質問ですね。たとえば、ドル建てで毎年5%ずつ増える投資信託があったとします。
円安になれば、ドルの価値も上がってるから、円に戻したときにもっと増えてることになるの?

その通りです。だから、複利+為替差益が長期ではダブルで効くことがあります。
なるほど!じゃあ逆に円高のときは、ドルの価値が下がる分だけ複利の効果が減っちゃうんですね。

そうです。でも、だからこそ“時間を味方にしてコツコツと積み立てる”ことが大切なんです。
長期投資では“為替を恐れない”
結局、為替って避けられないんだね。

その通りです。外国に投資している以上は避けられません。だからこそ、「コントロールできないものは気にしすぎない」のが大事です。
なるほど…。投資は、為替の波に長く乗ることが大事なんですね。

ええ。短期では円高・円安で資産が増減しますが、長期では複利が成長の中心になります。為替は“風向き”のようなもの。船を進めるのは“時間”です。
つまり、嵐のときにあわてて船を止めずに、ゆっくり航海を続ければいいってことか!

うまい例えですね。その通り。投資も航海も、長期目線が大切ですよ。
まとめ

今日のまとめです。
- 為替とは「通貨を交換すること」。
- 円高=円の価値が上がる、円安=円の価値が下がる。
- 円安のときは外貨建て資産の円換算額が増える。
- 円高でも、長期積立なら安いときに多く買える。
- 為替は短期では“波”、長期では“風”。恐れずに付き合う。
為替って、怖いものじゃないんですね。
むしろ、うまくつきあえば力になってくれるって感じだね!

ええ、その気づきがとても大切です。
これまでどおり、淡々と積立投資を続けていきましょう。


