今さら人に聞けない投資用語!『チャート』ってなに?

はじめに
株式や投資信託の情報を調べると、必ずといっていいほど目にするのが「チャート」です。証券会社のサイトやアプリでは、株価や指数が折れ線や四角い“ローソク”で表示されています。
でも、投資初心者の多くは「チャートって何を示しているの?」「どうやって使えばいいの?」と疑問に思うはずです。
この記事では、チャートの基本から主な種類と見方、さらに初心者がどのように活用すればいいのかまでを分かりやすく解説していきます。
チャートとは?
チャートとは、株価や指数などの価格推移をグラフ化したものです。時間の経過とともに変動する株価を可視化することで、投資家は次のような判断を下せるようになります。
- 「今の株価が過去と比べて高いのか安いのか」
- 「上昇基調にあるのか、下降トレンドなのか」
- 「買い時か、様子見すべきか」
つまりチャートは、投資の“地図”のような存在といえます。
主なチャートの種類
1. 折れ線チャート
もっともシンプルな形式です。株価の終値を線でつないだグラフで、株価が上がっているか下がっているかを直感的に把握できます。
- メリット:見やすく、初心者でもすぐ理解できる。
- デメリット:1日の中での値動き(高値・安値)がわからない。
2. ローソク足チャート
日本で生まれ、世界でも広く使われているチャートです。1本のローソクの形で「始値・高値・安値・終値」の4つの値動きを表します。
- 陽線(白または赤色):株価が上昇した日。始値より終値が高い。
- 陰線(黒または青色):株価が下落した日。始値より終値が低い。
- ヒゲ:一日の高値や安値を表す。
1本のローソク足だけで「今日は上がったのか下がったのか」が一目で分かり、複数を並べるとトレンドや反転のサインを読み取ることができます。
3. バーチャート
海外でよく使われる形式です。縦棒に始値と終値を横棒で示し、高値と安値も一目で分かります。ローソク足と同じ情報を持ちつつ、よりシンプルです。日本ではあまり一般的ではありません。
ローソク足の読み方をもう少し詳しく
ローソク足にはいくつか特徴的な形があります。投資の世界では「チャートパターン」と呼ばれ、トレンドの転換や継続を示すサインとされます。
- 大陽線:長い陽線。強い買いが入って株価が大きく上昇。
- 大陰線:長い陰線。強い売りで株価が大きく下落。
- 十字線:始値と終値がほぼ同じで、上にも下にもヒゲが出ている。相場の迷いを示す。
- 下ヒゲ陽線:一度大きく売られたが、終値はプラスで引けた形。下値の強さを示唆。
初心者のうちはパターンの名前をすべて覚える必要はありませんが、「陽線=上昇」「陰線=下落」「ヒゲ=一日の振れ幅」とだけ理解すれば十分です。
チャートから分かること
チャートを活用すると、次の3点が見えてきます。
- トレンドの把握
株価が上昇しているのか、下降しているのか、横ばいなのか。 - 過去との比較
1年前や5年前と比べて今の株価が割安なのか割高なのか。 - 投資のタイミング
短期売買では「押し目買い」や「戻り売り」の判断に利用される。
全体の傾向をパッと判断するのに役に立ちます。
チャートの限界
注意点として、チャートは過去と現在を記録するもので、未来を保証するものではないということです。
たとえば、上昇トレンドに見えても、突発的な事件や金融危機で急落することがあります。チャートは「地図」ではありますが、「未来予知の水晶玉」ではありません。
初心者はどう活用すべき?
- まずは折れ線チャートに慣れる
株価の大まかな流れをシンプルに理解できます。 - ローソク足チャートを少しずつ学ぶ
陽線・陰線の意味を理解するだけでも進歩です。 - テクニカル分析に深入りしすぎない
チャートパターンや指標は奥が深く、短期売買向けのものも多いです。初心者は「長期的な流れを知る道具」として使うのが現実的です。
初心者には短期売買はオススメできません。チャートについては、そういう概念があるという程度の認識でOKです。
まとめ
チャートとは、株価や指数の値動きを可視化したグラフです。
- 折れ線チャート:シンプルで直感的に分かる。
- ローソク足チャート:日本発祥で世界標準。1日の値動きを詳細に表す。
- バーチャート:海外式のシンプルな表現。
初心者は「今の株価が過去と比べてどうか」を知るための道具としてチャートを使うのが第一歩です。ローソク足の基本だけでも理解しておくと、ニュースや証券会社のレポートがぐっと分かりやすくなります。
チャートは未来を保証するものではありません。しかし、長期投資の視点で「流れをつかむ」ために活用すれば、投資判断の心強い味方になります。