今さら人に聞けない投資用語!『投資スタイル』ってなに?

はじめに
投資の本やニュースを読むと、「このファンドの投資スタイルはグロース型です」とか「私はバリュー株投資が好きです」といった言葉をよく見かけます。
なんとなく「投資のやり方の種類」だと理解していても、具体的にどういう意味なのか説明できるでしょうか?
投資スタイルとは、投資家やファンドマネージャーが「どのような基準や考え方で資産を運用するか」を表す言葉です。銘柄の選び方に基づくスタイルもあれば、売買の時間軸に基づくスタイルもあります。
今回はその代表例を整理し、さらに前日に触れた「ファンドマネージャー」と投資スタイルの関係にも触れてみましょう。
投資スタイルの2つの軸
投資スタイルには大きく2つの視点があります。
- 銘柄の選び方に基づくスタイル
→ 「どんな企業や資産に投資するか」を決める基準 - 売買の時間軸に基づくスタイル
→ 「どれくらいの期間で投資するか」という考え方
この2つの組み合わせで、投資家それぞれの投資スタイルが形作られていきます。
銘柄の選び方に基づく代表的なスタイル
まずは最もよく登場する4つのスタイルです。
1. グロース投資(成長株投資)
- 特徴:急成長が期待される企業に投資する
- 例:IT企業や新興市場の企業
- メリット:成功すれば株価上昇のリターンが大きい
- デメリット:期待が外れると下落も大きい
- 代表的投資家:ピーター・リンチ
2. バリュー投資(割安株投資)
- 特徴:本来の価値より安く評価されている企業に投資
- 例:一時的に低迷しているが財務健全な企業
- メリット:割安で買うためリスクが抑えられる
- デメリット:株価が上がるまでに時間がかかる
- 代表的投資家:ウォーレン・バフェット
3. インカム投資(配当・利息重視)
- 特徴:値上がり益ではなく配当や利息を重視
- 例:高配当株、J-REIT、債券
- メリット:安定した収入が得られる
- デメリット:大きな値上がり益は狙いにくい
4. インデックス投資(市場平均連動)
- 特徴:日経平均やS&P500などの指数に連動する投資
- メリット:低コストで市場平均のリターンを得られる
- デメリット:市場平均以上のリターンは期待できない
時間軸に基づく代表的なスタイル
次に、投資期間の長さによる違いです。
1. デイトレード
- 特徴:1日のうちに売買を完結する超短期投資
- メリット:リスクを翌日に持ち越さない
- デメリット:画面に張り付く必要があり、初心者には難しい
2. スイングトレード
- 特徴:数日〜数週間の値動きを狙う短期〜中期投資
- メリット:デイトレードより落ち着いて取引できる
- デメリット:中期的な値動きを読む難しさがある
3. 長期投資
- 特徴:数年〜数十年単位で投資を続ける王道スタイル
- メリット:複利効果を活かして資産を大きくできる
- デメリット:短期的な値下がりに耐えるメンタルが必要
ファンドマネージャーと投資スタイル
前日に触れたとおり、投資信託を運用するファンドマネージャーは「ファンドの司令塔」です。
彼らもまた、自分の信念や専門性に基づいた投資スタイルを持っています。
- 成長企業に賭ける → グロース型ファンドマネージャー
- 割安株を徹底的に探す → バリュー型ファンドマネージャー
- 安定配当を重視する → インカム型ファンドマネージャー
一方で、デイトレードやスイングのような短期売買は個人投資家や一部のヘッジファンドで多く見られる手法であり、投資信託を運用するファンドマネージャーは基本的に長期投資のスタイルを取るのが一般的です。
投資スタイルを理解するメリット
投資スタイルを理解することには、いくつかの利点があります。
- 自分に合った投資を選べる
→ 性格的に短期売買が向かない人は長期投資へ、リスクを取れる人はグロースへ。 - ファンドを選ぶ際の参考になる
→ 「このファンドはバリュー株重視」など、説明書に書かれているのは投資スタイルのこと。 - 市場の変動に惑わされにくくなる
→ 自分の投資スタイルを持っていれば、短期的な相場の上げ下げに振り回されにくい。
まとめ
投資スタイルには、銘柄の選び方の違い(グロース・バリュー・インカム・インデックス)と、売買の時間軸の違い(デイトレード・スイング・長期投資)という2つの軸があります。
ファンドマネージャーもそれぞれ自分のスタイルを持ち、ファンドの成果を左右しています。
大切なのは「どのスタイルが正解か」ではなく、「自分に合ったスタイルはどれか」を見つけること。初心者はまずインデックス投資で土台を築き、その後に性格や目的に合わせて投資スタイルを広げていくのが現実的な選択肢です。