ゴリラ先生のやさしい投資教室│第13回 FIREを目指してレバナス?ちょっと待って!“攻めすぎ”投資の落とし穴

スーツとメガネがトレードマークの、頼れるお金のナビゲーター。
知識は豊富だけど説明はやさしく、質問には真剣に向き合ってくれる。
今日もハルトとミナミの“なぜ?”に、穏やかに答えてくれる先生。

YouTubeで見たFIRE動画に憧れて、投資に興味を持った13歳。
テンバガーや仮想通貨にすぐ飛びつく、元気でちょっとビビりなタイプ。
まだ投資は未経験で、ミナミやゴリラ先生に教わりながら勉強中。

SNSで投資を知り、「お金の勉強って大事かも」と思い始めた13歳。
慎重派で、定期預金や貯蓄型保険に安心感を覚えるタイプ。
ハルトの勢いに振り回されつつも、一緒に少しずつ学んでいる。

『レバナスでFIREしたいんだ!』

先生!ボク、FIREしたい!SNSで話題のレバナスってやつで早く資産増やしたら、すぐに自由になれるんじゃない?

えっ、レバナスってなんか怖そうな名前……本当に大丈夫なの?

ふむふむ、おふたりともいい質問ですね。では今日は、レバナスの正体と、その注意点についてお話ししましょう。
セクターが偏った投資は、まるで“メロンパンだけ”の弁当

まずレバナスの中身は、NASDAQ100というアメリカのハイテク企業中心の株価指数なんです。つまり、IT企業ばっかりのかたまり。

へぇ〜。アップルとか、グーグルとかですよね?

そう、それらが大きな割合を占めています。例えるなら、メロンパンだけがぎっしり入ったお弁当です

えっ、それ最高じゃん!毎日食べたい!

……5日目くらいから、つらくなりませんか? そして栄養も偏ってしまいますよね。投資もそれと同じです。ある分野が好調なときはいいのですが、崩れたときに全部が下がる。これがセクター集中の怖さです。
レバレッジ投資は、ゴリラの2段ジャンプと同じ

さらにレバナスの「レバ」はレバレッジ。これは、値動きを2倍にする仕組みです。

2倍!? じゃあ上がったときめっちゃ儲かるじゃん!

でも…下がったときも2倍なんじゃないの?

その通りです。たとえば、ゴリラが高いバナナを取るために2段ジャンプするとしましょう。着地をミスしたら大けがです。

うわ、それ怖いかも……

実際、レバレッジ型の投資信託は長く持つほど不利になる傾向があります。特に乱高下が激しいと、じわじわと資産が減ってしまうのです。
長期投資に向くのは“バランス弁当”なオルカンとS&P500

一方で、オールカントリーやS&P500といったインデックスファンドは、いろんな業種・地域に分散されています。

つまり、お弁当で言えば、メロンパンも、おにぎりも、野菜も入ってるみたいな?

その通りです。栄養バランスの取れたお弁当は、毎日食べても体にやさしい。投資でも、バランスが大事なのです。

なるほど……ボク、ちょっとレバナスだけで勝負しすぎるとこだったかも。

FIREは素敵な目標です。でも、そのために“折れない心”を育てることがもっと大切です。

だったら、オルカンやS&P500の方が向いてそうですね。

よし!まずはオルカンでしっかり土台を固めてみる!

それが一番の近道ですよ。焦らず、続けられる投資を選びましょう。

参考資料
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