【2025年12月】SBI・J-REITファンド月次レポートから見る、アクティブ運用が活きる場面
はじめに
2025年12月のJ-REIT市場は、大きく上昇するわけでも、急落するわけでもなく、方向感のつかみにくい落ち着いた相場でした。
こうした局面では、指数全体の動きよりも、個別REITごとの判断や対応の差が、じわじわと結果に表れやすくなります。
今回のSBI・J-REIT(分配)ファンドの月次レポートを読むと、まさにその点が丁寧に反映されていました。
派手な売買ではありませんが、状況の変化に応じて銘柄の組み換えや投資比率の調整が行われており、アクティブファンドならではの運用姿勢が感じられる内容です。
本記事では、12月の月次レポートを中心に、「アクティブ運用が活きる場面」という視点から、このファンドの動きを整理していきます。
12月のJ-REIT市場環境を振り返る
12月のJ-REIT市場は、日銀の金融政策や金利動向への警戒感から、上値の重い展開となりました。
一方で、オフィスや物流施設の空室率低下、賃料の底堅さといった不動産ファンダメンタルズ自体は、引き続き安定しています。
つまり、
「市場全体としては慎重だが、個別REITの中身には差が出やすい」
という環境だったと言えます。
このような局面では、指数にそのまま連動する運用よりも、個別の材料を見ながら調整できる運用の特徴が見えやすくなります。
12月月次で見られた具体的な銘柄対応
12月の月次レポートで印象的だったのは、実際に複数の銘柄で投資判断が行われていた点です。
まず、物流系REITについては、物件売却や分配金の上方修正といったポジティブな材料が確認された銘柄があり、これらについては買い増しが行われています。
分配金の見通しが改善した銘柄に対して、素直に投資比率を引き上げている点は、インカム重視の運用方針と一致しています。
一方で、ホテル系REITについては、中国からの訪日動向などを背景に、先行きの不透明感が意識され、投資対象から外す判断が取られました。
観光需要は回復基調にあるものの、地域や国別の影響を慎重に見極めている姿勢がうかがえます。
また、割安感が意識されるようになった銘柄については、再び投資を行うなど、単純に「増やす・減らす」だけではない、細かな調整が続いています。
11月からの流れを見ると分かる運用の一貫性
こうした12月の動きは、11月の月次レポートとあわせて読むことで、より立体的に理解できます。
11月も同様に、分配金の修正や外部成長を評価した銘柄への対応が行われており、12月はその流れを引き継ぎつつ、環境の変化に応じた微調整が加えられた形です。
短期的な値動きを追いかけるのではなく、
「事実として確認できた変化に淡々と対応する」
という姿勢が一貫している点は、このファンドの特徴と言えるでしょう。
インデックス型では対応しにくい場面
J-REIT指数に連動するインデックス型ファンドの場合、
- 分配金の上方修正
- 物件売却
- 公募増資
といった個別銘柄のイベントに応じて、投資比率を調整することはできません。
指数全体としては同じでも、REITごとの状況は大きく異なる。
そうした局面では、「どの銘柄を持ち続けるか」「どこを減らすか」という判断そのものが、運用成果に影響してきます。
今回の月次から見える、このファンドのアクティブ性
12月の運用を振り返ると、次のような特徴が浮かび上がります。
- 市場予想よりも、分配金や財務といった実際の数字を重視している
- 判断は速すぎず、遅すぎず、必要な範囲にとどめている
- リスクを取りにいくというより、期待値の高い状態を保つことを優先している
アクティブファンドをどう位置づけるか
アクティブファンドは、インデックス投資と対立する存在ではありません。
むしろ、市場全体の動きとは少し距離を取りながら、中身を整える役割を担う存在と考えると、位置づけが分かりやすくなります。
すべてを任せるのではなく、分散の一部として取り入れる。
そうした使い方であれば、今回のような局面での判断が、じわじわと効いてくる可能性があります。
おわりに
2025年12月の月次レポートからは、大きな相場観よりも、細かな判断の積み重ねが見えてきました。
指数だけを見ていると気づきにくい部分ですが、こうした対応こそが、アクティブファンドの持ち味です。
派手さはありませんが、環境の変化に応じて静かにポートフォリオを整えていく。
その姿勢を知ることは、投資に対する不安を和らげ、自分のペースで続けるためのヒントにもなります。
焦らず、比べず、淡々と。
今回の月次レポートは、そんな姿勢をあらためて思い出させてくれる内容でした。


