ゴリラ先生のやさしい投資教室│第39回 こどもNISAってなに?積立中のぼくらにも関係あるの?
スーツとメガネがトレードマークの、頼れるお金のナビゲーター。
知識は豊富だけど説明はやさしく、質問には真剣に向き合ってくれる。
今日もハルトとミナミの“なぜ?”に、穏やかに答えてくれる先生。

YouTubeで見たFIRE動画に憧れて、投資に興味を持った13歳。
テンバガーや仮想通貨にすぐ飛びつく、元気でちょっとビビりなタイプ。
まだ投資は未経験で、ミナミやゴリラ先生に教わりながら勉強中。
SNSで投資を知り、「お金の勉強って大事かも」と思い始めた13歳。
慎重派で、定期預金や貯蓄型保険に安心感を覚えるタイプ。
ハルトの勢いに振り回されつつも、一緒に少しずつ学んでいる。
はじめに
ねえミナミ、昨日の“こどもNISAの記事”読んだ?
読んだよ。未成年でも非課税で投資できる制度が検討されているって内容だよね。
私たちも積立投資をしているから、関係あるのかな?
ボク、S&P500を積み立ててるし、もし制度ができたらどう変わるのか気になるんだよな。
私はオールカントリーを積立してるから、ちょっと気になるかも。

お二人とも良い疑問ですね。では、報道されている最新の“数字”も含めて、こどもNISA素案を分かりやすく説明いたしましょう。
こどもNISAって、そもそも何?
まずさ、こどもNISAって要するに“子ども向けNISA”なんだよね?

その通りです。未成年でも非課税で長期投資ができる制度として検討が進んでいる案ですね。

ポイントは、
・投資するのは子ども名義
・資金は親や祖父母が入れることもできる
・長期・積立・分散を前提とした仕組み

という点ですね。
教育資金としても使える枠、という感じですよね。

おっしゃる通り。ジュニアNISA終了後の“空白”を埋める新しい制度という位置づけです。
現在報道されている“数字”を整理してみよう
先生、最新の数字が出てるって言ってたよね?

はい。現時点の報道では、次のような案が示されています。
非課税で持てる上限:最大600万円

こどもNISAでは、子ども名義で最大600万円まで非課税で運用できる案が検討されています。
600万円って、けっこう大きいな!

そうですね。ただ“大人のNISAの1800万円より小さい枠”という点が特徴です。子どもの教育資金を想定したコンパクトな設計と言えるでしょう。
年間投資上限:年間60万円(毎月5万円)
年間60万円ということは、月5万円ですね。

その通りです。教育資金用として、無理なく積立できるラインとして調整された金額だと思われます。
教育資金って、たくさん必要なんだな~。
引き出し可能年齢:12歳から
12歳から引き出せる案、というのがジュニアNISAと違いますよね。

おっしゃる通り。ジュニアNISAは“18歳までロック”でしたが、こどもNISA案では“12歳から必要に応じて引き出せる”という柔軟な設計が議論されています。
中学生になったら使えるってことか。

はい。学校の費用や習い事など、早めの教育支出にも対応できるよう考えられているようです。
投資対象:インデックスファンド中心

こどもNISAの投資対象は、つみたて投資枠とほぼ同じ低コストインデックスファンドになる見通しです。つまり、世界株や米国株のような“広く分散された投資信託”が中心ですね。
ということは、私のオールカントリーみたいな商品も入るんですね。
ボクのS&P500も対象に入りそうだな!
じゃあ、ぼくら(ハルトとミナミ)にどう関係するの?
制度ができたらさ、ボクらの積立ってこどもNISAの枠に移すの?

現行のNISA制度と同じであれば、特定口座の投資信託をそのまま移すことはできません。一度売却してから、同じ商品を買いなおす必要があります。
一度現金化する必要があるんですね。

そうです。いずれにせよ、制度が変わっても、“長期・積立・分散”という基本は変わりません。こどもNISAは選択肢が増えるだけで、お二人の今の努力が変わるわけではありませんよ。
それ、すげー安心する!
制度に振り回される必要はないんですね。
メリットと注意点を整理しておこう
先生、メリットってどんな感じですか?

メリットと注意点について、簡潔にお伝えしますね。
メリット
・最大600万円まで非課税で運用できる
・年間60万円まで積立可能
・12歳から引き出しできて教育資金としても使いやすい
・長期投資の複利効果を最大限使える
注意点
・制度はまだ素案であり確定していない
・投資なので元本割れの可能性はある
・贈与税などの細かいルールは今後調整
・“絶対に使わなきゃ損”という発想は不要

まだ検討中の制度であることをお忘れなく。
今後の動向に注目しましょう。
おわりに
なんかすごく分かりやすかった!数字の意味も分かったし。
制度ができても慌てなくていいんですね。
続けることが大事なんだなぁ……。

はい。制度は変わっていきますが、投資の大切な考え方は変わりません。焦らず、比べず、自分のペースで続けていきましょう。


