先進国インデックスはあり?オルカンやS&P500が買えないときの現実的な選択肢
はじめに
「オルカンがありません」
「S&P500は取扱いがないんです」
iDeCoや銀行のNISA口座で商品を選ぼうとしたとき、
そんな現実に直面する方は少なくありません。
ネット証券なら当たり前のように買える商品でも、
会社のiDeCoや地方銀行のNISAでは選択肢が限られていることがあります。
そのとき、多くの人がこう感じます。
「じゃあ投資できないのでは?」
「やっぱりネット証券に変えないとダメ?」
でも本当にそうでしょうか。
今回は、「先進国インデックスはありなのか?」というテーマを通じて、
完璧な商品がなくても合理的に選ぶ考え方を整理していきます。
そもそも先進国インデックスとは?
先進国インデックスとは、
日本やアメリカ、ヨーロッパなど、
経済や制度が比較的安定している国の株式に投資する指数のことです。
代表的なのは「MSCIコクサイ」などで、
新興国は含まれていません。
オルカン(全世界株式)は、
先進国に加えて新興国も含めた“全部入り”の指数です。
つまり違いは、新興国を含むかどうか。
それだけ、と言ってしまえばそれだけです。
オルカンとの違いは大きいのか?
よくある不安はこうです。
「新興国を外して大丈夫なのか?」
「成長を取りこぼすのでは?」
たしかに、新興国は将来的な高成長が期待される地域です。
人口増加や経済発展の余地という意味では魅力があります。
しかし現実を見ると、
オルカンの中で新興国が占める割合はおおよそ10%前後です。
残りの約90%は先進国です。
つまり、オルカンを買っている人も、
実質的には“ほぼ先進国投資”をしている構造になっています。
パフォーマンス差は思ったほど大きくない
過去のデータを見ると、
先進国株式と全世界株式のリターン差は、
長期ではそれほど大きくありません。
なぜなら、全世界株式のリターンの大部分は、
米国を中心とした先進国が決めているからです。
特に近年は、米国株の比率が高まっているため、
オルカンと先進国インデックスの動きはかなり近いものになっています。
もちろん将来は分かりません。
新興国が大きく伸びる可能性もあります。
iDeCoや銀行NISAの現実
ここが今回の核心です。
iDeCoでは、
- アクティブ型ばかり
- 信託報酬がやや高い商品が多い
- S&P500やオルカンがない
というケースが珍しくありません。
銀行NISAでも、
- 商品数が少ない
- 特定の運用会社の商品しか扱っていない
といった制約があります。
でも、それはあなたのせいではありません。
制度上、選択肢が限られているだけです。
先進国インデックスは代替として十分か?
結論から言えば、
多くのケースで「十分合理的」です。
なぜなら、
- 世界経済の中心は依然として先進国
- 制度や通貨が安定している
- 企業ガバナンスが整っている
という特徴があるからです。
新興国の成長を取りこぼす可能性はありますが、
その代わりに政治リスクや通貨リスクは抑えられます。
完璧を求めすぎない
投資を始めたばかりの頃ほど、
「正解を選ばなければ」
と思いがちです。
しかし現実の投資は、
常に制約の中での選択です。
- 商品が限られている
- 信託報酬に差がある
- 制度が違う
その中で、
「致命的に悪くないか?」
「長期で合理的か?」
を基準に考える。
それでも気になるなら
どうしても新興国も含めたい場合は、
新NISAで補完するという方法もあります。
iDeCoは先進国中心、
新NISAで新興国やオルカンを少し加える。
そうすれば、
全体としてバランスは取れます。
投資は一つの口座だけで完結させる必要はありません。
おわりに
オルカンやS&P500が買えない。
それは決して珍しいことではありません。
でも、そこで立ち止まる必要はありません。
先進国インデックスは、
妥協ではなく、十分に合理的な選択肢です。
完璧を求めすぎるよりも、
今できる範囲で、納得できる選択をする。
焦らず、比べず、
自分の環境の中でベストを探す。
それが長く続けるための土台になります。
“買える商品でどう戦うか”。
それを考えられる人こそ、
静かに強い投資家だと思います。


