今さら人に聞けない投資用語!『ロールオーバー』ってなに?

はじめに
「NISAのロールオーバーって、前はよく聞いたけど今はどうなの?」
「そもそもロールオーバーって何だったの?」
2024年から新NISA制度が始まり、投資初心者の方にとっては過去の用語がわかりにくくなっているかもしれません。
この記事では、2025年現在の視点から、「ロールオーバー」という用語を整理してわかりやすく解説します。
ロールオーバーとは?ざっくり言うと…
ロールオーバーとは、金融商品の保有期限が来たときに、次の期間や制度に“繰り越す”ことを意味します。
投資の世界では、特に以下の文脈で使われていました。
- 一般NISA(〜2023年)の非課税期間の延長手続き
- 債券・先物などの期限延長的な売買(こちらは専門的)
この記事では、多くの個人投資家に関係した「旧NISA制度におけるロールオーバー」を中心に説明します。
一般NISAにおけるロールオーバーとは?
旧NISA(2014年〜2023年)では、毎年120万円までの非課税枠があり、買い付けた株や投資信託は最長5年間、売却益や配当が非課税となる仕組みでした。
しかし、5年経過すると…
- 何もしない → 課税口座(特定口座など)へ自動移管
- ロールオーバー → 翌年の非課税枠を使ってもう5年間非課税で保有可能
つまり、ロールオーバーとは「NISAで保有していた資産を、次のNISA枠で非課税延長する手続き」のことでした。
2025年現在、ロールオーバーはできる?
答えは 「新NISAではできません」。
2024年に始まった新制度では、以下のように仕組みが大きく変わりました。
旧制度(〜2023年) | 新制度(2024年〜) |
---|---|
非課税期間:5年 | 非課税期間:無期限 |
ロールオーバー:必要 | ロールオーバー:不要 |
年間枠:つみたて40万円、一般120万円 | 年間枠:つみたて120万円、成長投資240万円(計360万円) |
したがって、今後ロールオーバーを使うケースはありません。

じゃあロールオーバーはもう無視していい?
✅ 新NISAから始めた人 → 完全に無視してOK!
ロールオーバーという制度は新NISAに存在しません。
🔍 旧NISAを利用していた人 → 状況に応じて“管理”が必要
例えば…
- 2019年にNISAで買った株 → 2023年にロールオーバー済みなら2028年まで非課税で保有
- それ以降は 特定口座へ払い出される or 売却が必要
つまり、「過去にロールオーバーした資産が今も非課税で残っている人」がいるという状態です。
ロールオーバー資産の確認方法
証券会社のマイページやNISA口座の管理画面で、
- 「ロールオーバー済み」や
- 「旧NISA資産残高」など
の表示がある場合は、いつ課税口座へ移行されるかを確認しておくのが良いでしょう。
※売却しない限り、満期終了とともに課税口座に自動移管されます。
まとめ|ロールオーバーは過去の制度で重要だった知識
- ロールオーバーは旧NISA制度に存在した「非課税期間延長」の仕組み
- 新NISA制度(2024年~)では非課税期間が無期限となり、ロールオーバー自体が廃止
- 今から始める人には無関係な用語だが、旧制度を利用していた人には「資産管理」の面で重要
おまけ:今後も出てくる「過去制度用語」に注意
投資歴が長い人向けの記事やYouTubeでは、「ロールオーバー」「5年ルール」「非課税枠の消化順」など、旧NISA用語が登場することがあります。
今後は「新NISA基準で考える」ことが基本ですが、過去の制度に触れた情報を見かけたら、「それって今も必要?」と一歩立ち止まって確認してみると安心です。