インデックス投資は暇な投資法?―「やることがない時間」を、どう使うかという話
はじめに
インデックス投資を始めて、しばらく経った頃。
こんな感覚を持ったことはないでしょうか。
積み立て設定は終わっている。
売買の判断も、特に必要ない。
相場を毎日チェックする理由も、あまりない。
「興味はあるけど、やることがない」
この感覚は、決しておかしなものではありません。
むしろ、インデックス投資が設計どおりに機能している証拠とも言えます。
今回は、
インデックス投資が「暇」に感じられる理由と、
その時間をどう捉えればいいのかについて、
少しゆっくり考えてみたいと思います。
インデックス投資は、なぜ「暇」に感じるのか
インデックス投資は、
市場の短期的な動きを当てにいく投資法ではありません。
あらかじめ決めたルールに従って、
淡々と積み立てを続け、
市場全体の成長を時間をかけて受け取る。
この仕組みの特徴は、
判断や行動をできるだけ減らすことにあります。
銘柄選びに悩む必要も、
売り時を探し続ける必要もありません。
だからこそ、
正しく続いているほど、
投資に使う時間は少なくなっていきます。
「やることがない不安」は自然な感情
とはいえ、
やることがない状態が不安になるのも、自然なことです。
お金の話になると、
「何か行動していないといけない」
「判断を続けないと取り残される」
そんな気持ちが生まれやすくなります。
SNSやニュースを見れば、
誰かが成果を出した話や、
次のチャンスを語る声が目に入ります。
その中で、
自分だけが何もしていないように感じると、
落ち着かなくなるのも無理はありません。
暇だからといって、売買を増やさなくていい
「暇だな」と感じたとき、
つい何かを足したくなることがあります。
もう少し売買してみようか。
別の投資手法も試してみようか。
そう考える気持ち自体は、否定する必要はありません。
ただ、インデックス投資は、
行動を増やすほど成果が安定する投資法ではありません。
判断を増やすことで、
不安や迷いも一緒に増えてしまう。
その結果、本来の前提から少しずつ離れてしまうこともあります。
「やることがない」時におすすめなのは、知識を増やすこと
では、
インデックス投資で手が空いた時間は、
どう使えばいいのでしょうか。
おすすめなのは、
今すぐ使う必要のない知識を、少しずつ増やすことです。
売買の判断に直結しなくても構いません。
相場を予想できるようになる必要もありません。
知識を増やす目的は、
「上手く儲けるため」ではなく、
情報に振り回されにくくなるためです。
本という選択肢が、インデックス投資に向いている理由
知識を増やす方法はいろいろありますが、
インデックス投資と相性がいいのは、本です。
本は、
情報の流れがゆっくりです。
断定的な表現も比較的少なく、
一気に判断を迫られることもありません。
必要なところだけ読んでもいいですし、
途中で閉じても問題ありません。
「今すぐ役立てなければいけない」
というプレッシャーがない点も、
長期投資とよく似ています。
図書館という、いちばん静かな学びの場
さらにおすすめなのが、図書館です。
図書館は、
無料で使える公共サービスです。
すでに税金で支えられている場所でもあります。
誰かに何かを売られることもなく、
急かされることもありません。
興味を持った分野を、
少し覗いてみる。
合わなければ、そっと戻す。
そんな使い方が許されるのが、図書館です。
知識は「使うため」より「振り回されないため」にある
投資の知識というと、
「どう使うか」が重視されがちです。
でも、インデックス投資においては、
知識は使うための道具というより、
振り回されないためのクッションのような存在です。
すぐに成果が出なくてもいい。
今の投資方針が変わらなくてもいい。
それでも、
知っていることが増えるほど、
不安は言葉にできるようになります。
言葉にできる不安は、
コントロールしやすくなります。
おわりに
インデックス投資は、
たしかに暇になりやすい投資法です。
でも、その暇は、
悪いものではありません。
行動を減らしたからこそ生まれた余白です。
その余白を、
無理に埋める必要はありません。
何もしない時間があるからこそ、
考える余地が生まれます。
焦らず、比べず、
自分のペースで、
その時間をどう使うかを考えていけばいい。
インデックス投資は、
資産だけでなく、
向き合い方そのものを、
少し穏やかにしてくれる投資法なのだと思います。


