【2026年1月】欧州高配当株式ファンド月次レポート│金利と銀行セクターの関係から読み解く1か月
はじめに
2026年1月のSBI欧州高配当株式ファンドは、
基準価額が13,342円(前月比+531円)と上昇しました。
欧州主要指数も上昇し、
主要国の株価指数が高値を更新するなど、
市場全体としては堅調なスタートとなった1か月です。
しかし今回注目したいのは、
単なる価格の上昇ではありません。
月次レポートを見ると、
銀行セクターの組入比率は23.26%と最大ウェイトを維持しています。
欧州ファンドにとって、銀行は「中心的な柱」です。
そして1月は、
金利動向と銀行株の関係を改めて考えさせられる月でもありました。
欧州銀行と金利はなぜ結びつくのか
銀行の収益の基本は「利ざや」です。
貸出金利 − 預金金利 = 銀行の収益源
超低金利時代には、
この差がほとんど取れず、
欧州銀行は長らく収益面で苦戦してきました。
しかしインフレ対応のため、
欧州中央銀行(ECB)は政策金利を引き上げ、
金利水準は大きく改善しました。
その結果、
欧州銀行は久しぶりに「利ざやが取れる環境」を取り戻しました。
1月は「利下げ期待」とのせめぎ合い
ただし、1月は単純な金利上昇局面ではありませんでした。
インフレ鈍化が意識され、
市場では「今後の利下げ」に対する期待も出始めています。
この状況は銀行にとって微妙です。
- 利下げ期待 → 株式市場全体には追い風
- ただし利ざや縮小の可能性 → 銀行には逆風
1月は、
この二つの要素が同時に存在していました。
それでもファンドは銀行比率を大きく落とさず、
主力セクターとして維持しています。
利回り4.38%という現在地
1月末時点のファンドの配当利回りは4.38%です。
この数字は、
金利がゼロ近辺だった時代と比べると、
大きく意味が変わっています。
かつては、
「銀行株は金利が低すぎて厳しい」
という構図でした。
現在は、
- 銀行の収益改善
- 増配余地
- 株主還元の積極化
といった流れの中で、
高配当戦略の柱になっています。
セクター調整が示す冷静さ
1月は金融セクターのウェイトをやや減らし、
生活必需品やエネルギーを増やす調整も行われました。
これは非常に重要な動きです。
銀行を軸にしながらも、
金利依存度を過度に高めないようにしている。
つまり、
「銀行は有望だが、一本足打法にはしない」
という姿勢です。
欧州銀行は構造的に変わったのか
ここ数年、欧州銀行は
- 不良債権の削減
- 資本規制への対応強化
- コスト削減
を進めてきました。
かつての欧州債務危機時代と比べ、
財務体質が大きく改善しています。
そのため現在の銀行株は、
単なる「金利の代理銘柄」ではなく、
より安定したキャッシュフロー企業へと変わりつつあります。
金利と銀行の距離感をどう見るか
金利が上がれば銀行に有利、
下がれば不利。
そう単純に整理されがちですが、
実際には
- 金利の水準
- 変化のスピード
- 景気動向
- 貸出需要
といった複数の要素が絡みます。
おわりに
2026年1月は、
基準価額+531円という力強い上昇月でした。
その背景には、
欧州市場全体の堅調さと、
銀行セクターの存在があります。
金利と銀行の関係は、
単純な図式では語れません。
だからこそ、
月次レポートの数字を丁寧に確認し、
セクター構成や利回り水準を読み解くことが大切です。
金利が動くたびに慌てるのではなく、
数字を通して「今どんな環境なのか」を把握する。
それが、
欧州高配当ファンドと長く付き合うための
落ち着いた姿勢と言えるでしょう。


