新NISAのつみたて投資枠「15指数」はどう分かれている?4タイプに分類してやさしく解説

はじめに:なぜいま「15指数」に注目が集まっているのか
2025年夏、日経新聞の報道により、金融庁が新NISAのつみたて投資枠の「対象指数の拡大」を検討しているというニュースが話題となりました。これまでつみたて投資枠で選べる投資信託は、あらかじめ金融庁の基準を満たした「一定の指数」に連動するものに限られていました。その基準の代表例として挙げられるのが「15指数」です。
ただし、「15」という数字はあくまで代表的な整理であり、実際にはもっと多くの指数が対象となっています。本記事では、現在の制度で採用されている代表的な指数を、「日本株」「米国株」「世界株」「テック系株」という4つのタイプに分けて、それぞれの特徴や代表的なファンドとあわせてご紹介します。
日本株指数:国内企業に投資したい人に向いているタイプ
日本株に連動する指数は、つみたてNISA制度でも基本となるカテゴリです。国内上場企業に投資でき、為替リスクがないため、初心者にも親しみやすいのが特徴です。
代表的な指数は次のとおりです。
- TOPIX(東証株価指数・配当込み):東証プライムのほぼ全銘柄に投資できる、最も代表的な指数
- 日経平均(トータルリターン):225銘柄の株価平均に配当を加味したバージョン
- JPX日経400:収益性・ガバナンス・ROEなどを重視した400社を選出
代表的なファンドには以下のようなものがあります。
- eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)
- たわらノーロード 日経225
- iFree JPX日経400
「日本企業を応援したい」「円建てで値動きが穏やかなものを選びたい」――そんな方にぴったりです。
米国株指数:高成長のアメリカ市場に乗りたい人向け
つみたて投資枠でも、非常に人気が高いのが米国株型ファンドです。アメリカ経済は過去100年以上にわたって拡大を続けており、インデックス投資との相性が非常に良好です。
代表的な指数は以下の通りです。
- S&P500(配当込み):アメリカを代表する500社で構成。時価総額加重平均型で、王道中の王道
- CRSP USトータル・マーケット・インデックス:大型から小型株まで含む、アメリカ株のほぼ全体をカバー
主なファンドには次のようなものがあります。
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- 楽天・全米株式インデックス(VTI連動)
米国株ファンドの魅力は以下のような点にあります。
- 過去に高いパフォーマンスを残している
- 暴落後もしっかり回復している
- 1本で分散効果が非常に高い
これから新NISAを始めるという人は、米国指数か次に紹介する世界株指数に投資するのがオススメです。
世界株指数:分散投資を1本で完結させたい人に最適
「どこかの国に偏るのは不安」という人に人気なのが、世界中に投資するインデックスファンドです。
代表的な指数には次のものがあります。
- MSCI ACWI(オール・カントリー・ワールド・インデックス):日本を含む先進国・新興国すべてをカバー
- MSCIコクサイ:日本を除く先進国株のみを対象
- MSCIエマージング:中国、インド、ブラジルなど新興国の株式市場を対象
主なファンドは以下の通りです。
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
- たわらノーロード 先進国株式
- たわらノーロード 新興国株式
全世界株式ファンドの利点は、「どの国が伸びても取りこぼさない」という広い守備範囲にあります。長期の資産形成において、リスクを抑えながら世界全体に期待できるのが魅力です。
米国テック系指数:ハイリスク・ハイリターンを狙いたい人へ
リスクを取ってでも高いリターンを狙いたい方に注目されているのが、テック系のテーマ型指数です。
対象となる主な指数は以下の通りです。
- NASDAQ100:アップルやマイクロソフトなど、アメリカの大型テック株で構成
- NYSE FANG+:Facebook、Amazon、Netflix、Googleなど超成長企業に集中投資
これらに連動する主なファンドは次のとおりです。
- iFree NEXT NASDAQ100
- Tracers FANG+インデックスファンド
テクノロジー分野は今後も成長余地が大きい一方、値動きも激しいため、ポートフォリオの一部として活用するのがおすすめです。
「15指数」は目安にすぎない。今後の拡大にも注目
つみたて投資枠の「15指数」とは、制度が始まる際に示された代表的な対象インデックスの例です。しかし実際には、270本を超える投資信託が制度に対応しており、指数も多岐にわたります。
金融庁の要件では、
- 一定の運用実績があること
- 高い分散効果があること
- 市場で信頼性があること
などが満たされれば、新しい指数も対象となり得ます。今後は、高配当株指数やREIT、スマートベータ型、さらにはESG関連指数などの追加も見込まれており、制度の柔軟性と拡張性の高さが魅力です。
まとめ:4タイプに分類すれば、自分に合った投資が見えてくる
指数を分類すると、つみたてNISAの選択肢は次のように整理できます。
タイプ | 主な指数 | 向いている人 |
---|---|---|
日本株 | TOPIX、日経平均、JPX400 | 為替リスクなしで日本経済に期待したい人 |
米国株 | S&P500、CRSP | 成長性の高いアメリカに乗りたい人 |
世界株 | MSCI ACWI、コクサイ、エマージング | 国際分散を1本で済ませたい人 |
テック株 | NASDAQ100、FANG+ | ハイリターンを狙いたいがリスクも許容できる人 |
今後、制度の対象がさらに広がることで、投資家のニーズに合わせた柔軟な選択肢が増えていくでしょう。まずは自分に合ったタイプを見極め、つみたてNISAをフル活用していきましょう。