新NISAで利益確定は禁物!「稲妻が輝く瞬間」を逃さないための秘訣とは?
2024年から始まった新NISAは、税制優遇を受けながら投資ができる素晴らしい制度です。しかし、この制度を最大限に活用するためには「利益確定をしない」ことが重要なポイントとなります。特に長期的なインデックス投資を行う際には、頻繁な売買を避けるべき理由がいくつかあります。
利益確定のリスク
利益確定をするということは、保有している投資信託や株式を売却することです。これにより一時的に利益が確定しますが、次にどのタイミングで再度購入するのかが大きな課題になります。多くの投資家は、株価が上がったと感じたときに売却し、下がったら買い戻そうと考えます。しかし、このタイミングを正確に予測するのは非常に難しいです。
ここで参考にしたいのが、著名な投資家であるチャールズ・エリスの言葉です。彼は「投資家は稲妻が輝く瞬間に市場に居合わせなければならない」と語っています。これは、マーケットの上昇は予測できない「稲妻」のようなものであり、その瞬間を逃すと大きなリターンを得る機会を失うという意味です。
具体的なデータを引用します。1980年から2016年までのS&P500の年利は平均11.4%でした。株価の上昇率ベスト10日を逃した場合の平均リターンは9.2%、そしてベスト30日を逃した場合は6.4%まで低下します。100万円を投資していた場合、利益確定せずに持ち続けていれば約4870万円になりますが、ベスト10日を逃した場合は約2370万円まで減少、そしてベスト30日を逃した場合はなんと930万円まで減少してしまいます。頻繁に売買を行うことで、結果的に大きな上昇局面を逃してしまうリスクを示したデータとなっています。
長期投資の強み
インデックス投資の魅力は、特定の個別株ではなく市場全体に分散投資を行う点です。市場全体は長期的には右肩上がりの傾向にあり、過去のデータでもインデックス投資は他の資産クラスよりも高いリターンを記録しています。長期で投資を続けることで、市場の変動を乗り越え、時間とともにリスクを分散させることができます。
新NISAを活用した長期投資のメリットは、売却しない限り運用益が非課税である点です。利益確定をせず、保有し続けることで、複利の効果を最大限に活かすことができます。これにより、最初の投資額が次第に増え、雪だるま式にリターンが膨らんでいく仕組みです。
頻繁な売買のデメリット
頻繁に売買を繰り返すと、次のようなデメリットがあります。
- タイミングを見誤るリスク:前述したように、売却した後に再度購入するタイミングが非常に難しいです。もし市場の上昇局面を逃してしまうと、大きなリターンを取り損ねることになります。
- 手数料がかかる:頻繁に売買をすると、その都度手数料が発生します。新NISA自体では売買にかかる税金が非課税となりますが、売買手数料は依然としてかかるため、これがリターンを目減りさせる要因になります。
- 複利効果を失う:売却した時点で利益は確定しますが、それによって次の投資に回す元本が減少します。これにより、長期的な複利効果を損なうことになります。
新NISAの最大のメリットを享受するには
新NISAの制度は、長期的に投資を続ける投資家にとって非常に有利な仕組みです。売却をせずに運用を続けることで、投資期間中の運用益が非課税で成長し続けます。これにより、税金で利益が減ることなく、複利の効果を享受できます。長期投資においては、時間を味方につけることが何よりも重要です。
また新NISA特有のデメリットとして、利益確定後に再購入した場合、非課税枠が圧迫されるというものがあります。たとえば、元本100万円の投資信託を200万円で売却後に、新NISAで再購入したとします。利益確定せずに持ち続けていた場合は100万円の非課税枠しか使用していないのに対して、再購入後は200万円の非課税枠を使用していることになります。利益確定と再購入という流れを経ることで、1800万円しかない非課税枠の無駄遣いになってしまいかねない、ということです。
チャールズ・エリスが強調する「稲妻が輝く瞬間に市場に居合わせる」ためにも、頻繁な売買を避け、市場に留まり続けることが最善策です。市場の上昇は予測できないため、常に投資を続けることで、その恩恵を最大限に受けることができます。
まとめ
新NISAを活用して長期インデックス投資を行う際、頻繁な利益確定や再度の購入を行わないことが成功の鍵です。タイミングを見誤るリスクや手数料、複利効果の取りこぼしを避けるためにも、一度投資をしたら市場に留まり続けることが大切です。市場全体が成長するのを信じ、売却せずに保有し続けることで、新NISAの非課税メリットと複利の効果を最大限に活かすことができます。
長期的な視点で見れば、新NISAは非常に優れた制度であり、頻繁な売買を避けることで資産形成の成功に一歩近づけるでしょう。