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はじめに
2024年から始まった新NISAでは、つみたて投資枠に年間最大120万円、成長投資枠に年間最大240万円の非課税枠が設定されています。多くの投資家にとって、この枠をどのように活用するかが資産形成の大きな鍵となります。
ここで迷うのが、一括投資とつみたて投資のどちらを選ぶべきかという点です。一括投資は、理論上リターンが高くなる可能性がある一方で、リスクも伴います。一方、つみたて投資は心理的な負担が少なく、投資初心者にも向いている方法です。
この記事では、一括投資とつみたて投資の違いを解説し、過去の株価下落局面をシミュレーションして、一括投資のリスクと向き合うポイントを考えます。
一括投資のメリットとデメリット
メリット
- 市場の平均リターンを最大限享受できる
長期的に市場が右肩上がりである場合、一括投資は早く資金を市場に投入できるため、複利効果が最大限に発揮されます。
- 手間がかからない
一度の投資で済むため、定期的な積立やタイミングを気にする必要がありません。
デメリット
- 下落局面でのリスクが高い
投資直後に市場が大きく下落した場合、大きな損失を抱える可能性があります。
- 心理的なストレス
下落時に耐える精神力が必要です。損失を抱えたまま市場から撤退してしまうリスクもあります。
一括投資は、リスク許容度が高く、長期で投資を続ける覚悟がある人に向いています。
つみたて投資のメリットとデメリット
メリット
- リスク分散が可能
時間を分散して投資するため、買い付け価格の平均化が図られます(ドルコスト平均法)。
- 心理的な負担が少ない
投資額が徐々に増えるため、下落局面でも心理的なストレスが軽減されます。
デメリット
- 市場の成長をフルに享受できない場合がある
上昇相場では、一括投資に比べてリターンが劣ることがあります。
- 手間がかかる
定期的に投資を続ける必要があり、管理が必要です。
つみたて投資は、投資初心者やリスクを抑えたい人に最適な方法です。
シミュレーション:一括投資 vs つみたて投資
シナリオ設定
- 投資金額:240万円
- 投資期間:1年間でつみたての場合は毎月20万円ずつ投資
- 過去の株価下落局面(例:リーマンショック、コロナショック)を参考に分析
- 使用指数:S&P500(米国株式市場の代表的な指数)
過去の下落局面シミュレーション
リーマンショック時(2008年9月~2009年2月)
- 最大下落幅:約-50%(S&P500ベース)
- 回復期間:約4年
一括投資の場合
- 投資直後に50%の下落が発生した場合、資産は240万円 → 120万円に減少。
- 回復までの4年間は精神的な忍耐が必要。
つみたて投資の場合
- 毎月20万円ずつ投資すると、下落中に多くの株を購入可能。
- 回復局面では購入価格が平均化され、リターンが安定しやすい。
コロナショック時(2020年2月~3月)
一括投資の場合
- 投資直後に34%の下落が発生した場合、資産は240万円 → 約158万円に減少。
- しかし、回復期間が半年と短く、その後の上昇で早期に元本回復が可能。
つみたて投資の場合
- 毎月20万円ずつ投資した場合、下落中に安く買える恩恵を受ける。
- ただし、回復が早い局面では一括投資ほどのリターンを得にくい。
どちらを選ぶべきか?
- リスク許容度の高い人
- 下落局面でも冷静に投資を続けられる人は、一括投資が理論的には有利。
- 投資初心者やリスクを抑えたい人
- 精神的な負担を軽減し、安定的に運用を進めたい場合はつみたて投資がおすすめ。
一括投資は長期リターンを最大化する可能性がありますが、つみたて投資は心理的な負担を軽減し、初心者にも適した方法です。
まとめ
新NISAの2年目を迎えるにあたり、一括投資とつみたて投資のどちらを選ぶべきかを考えることは重要です。一括投資は理論上有利ですが、過去の下落局面を耐えられるリスク許容度が必要です。一方、つみたて投資は心理的な負担を抑えながら安定的なリターンを目指すことができます。自分のリスク許容度と投資経験を考慮して、最適な投資方法を選択しましょう!
ABOUT ME
2017年にドルコスト平均法を知り、投資に興味を持つ。2018年の旧つみたてNISA開始と同時に資産運用を開始。老後資金2000万円を目指しコツコツと積立投資中。