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高配当株投資家必見!金融セクターのリーマンショック時データを徹底検証

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はじめに

高配当株投資を行う上で、最も気になるのが「不況時にどうなるのか」という点です。中でも2008年のリーマンショックは、現代の投資家にとって最大級の試練だったと言えるでしょう。

金融セクターはその震源地にあり、世界中で銀行の破綻や証券会社の買収が相次ぎました。日本の金融機関も例外ではなく、業績の悪化に伴い減配や無配が発生。株価も急落し、数年間にわたる低迷期へと突入しました。

本記事では、当時の日本株における金融セクターの代表銘柄をピックアップし、2008年から2010年にかけての株価と配当金の推移を徹底検証します

具体的には、以下の3分野に分類して解説します。

  • メガバンク:三菱UFJ、三井住友、みずほ
  • 証券会社:野村、大和
  • 保険会社:東京海上

それぞれの銘柄について、株価と配当金の変化から見える「回復力」「リスクの大きさ」「投資家への還元姿勢」を読み解き、高配当株投資における金融セクターの特徴を浮き彫りにしていきます。

メガバンク編:圧倒的な下落と遅い回復

リーマンショックの打撃を最も大きく受けたのが、メガバンクです。貸出先の破綻、保有証券の評価損、自己資本比率の悪化など、多くのリスクが一気に表面化しました

以下に、三大メガバンクの株価・配当推移を示します。

■ 三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)

【株価推移】

  • 2008年末:549円
  • 2009年末:452円
  • 2010年末:439円

【年間配当金】

  • 2008年:12円(中間7円+期末5円)
  • 2009年:12円(中間6円+期末6円)
  • 2010年:12円(前年と同水準)

株価は2007年末には1,000円近くまであったとされ、そこから見ると半値近い水準まで下落しています。配当については、2008年度の期末配当を減額し、以後も12円で据え置き。財務の健全性維持を優先し、回復には時間がかかりました

■ 三井住友フィナンシャルグループ(8316)

【株価推移(分割後換算)】

  • 2009年末:2,645円
  • 2010年末:2,892円

【年間配当金】

  • 2008年:90円(旧株式換算)
  • 2009年:100円
  • 2010年:100円

2009年に1株→100株の分割を実施。株価水準はその影響で2009年以降は数千円台に。業績は三大メガの中ではもっとも早く回復し、配当も2009年度以降は100円で安定。安定配当銘柄としての評価が高まりました

■ みずほフィナンシャルグループ(8411)

【株価推移】

  • 2008年末:2,577円
  • 2009年末:1,660円
  • 2010年末:1,530円

【年間配当金】

  • 2008年:無配
  • 2009年:数円(復配)
  • 2010年:5~6円程度

最も深刻だったのがみずほです。2008年に巨額の損失を計上し、配当を停止。2009年にようやく復配しましたが、1桁円台と低水準にとどまりました。株価の回復も鈍く、三メガの中では最も投資家に厳しい時期を強いた銘柄です。

証券会社編:収益悪化と復配のジレンマ

証券会社は、株式市場の冷え込みと手数料収入の激減により、大幅な減益となりました。特に野村は、リーマン・ブラザーズの欧州部門を買収したことで注目されましたが、その直後は赤字に沈みました。

■ 野村ホールディングス(8604)

【株価推移】

  • 2008年末:729円
  • 2009年末:681円
  • 2010年末:515円

【年間配当金】

  • 2008年:25.5円(四半期配当制、Q4無配)
  • 2009年:8.0円(中間4円+期末4円)
  • 2010年:8.0円

2008年秋に赤字転落し、配当もストップ。2009年にようやく年間8円で復配しましたが、配当利回りは低く、投資妙味は薄い時期が続きました。株価も2010年には500円台まで下落。底打ち感が出るまでには時間がかかりました。

■ 大和証券グループ本社(8601)

【株価推移】

  • 2008年末:526円
  • 2009年末:465円
  • 2010年末:418円

【年間配当金】

  • 2008年:10円前後(中間配のみ)
  • 2009年:8~10円
  • 2010年:10円台前半

2008年度の赤字決算で期末配当を停止。以降は業績の改善とともに徐々に復配しましたが、配当水準は危機前の水準には届かず。株価は3年間で100円以上下落し、再評価されるまでには相当な時間を要しました。

保険会社編:比較的強い安定性

保険業界は金融セクターの中では比較的安定しており、損保は本業の保険収支がベースになるため、金融危機下でも配当政策が極端にブレることは少なめです。

■ 東京海上ホールディングス(8766)

【株価推移】

  • 2008年末:2,580円
  • 2009年末:2,530円
  • 2010年末:2,427円

【年間配当金】

  • 2008年:48円
  • 2009年:48円
  • 2010年:50円(増配)

このように、東京海上は2008・2009年においても配当を維持し、2010年に増配を行っています。減配・無配といった事態には陥らず、 金融セクター内におけるディフェンシブ性が際立つ事例 と言えるでしょう。

セクター全体の傾向と投資家への示唆

2008年のリーマンショックは、金融セクターの脆弱性を露呈させました。
特に次の3点に注目すべきです:

  1. 業種ごとの「回復スピードの差」
     銀行・証券は数年単位で配当復活に時間がかかったのに対し、保険業は1~2年で回復傾向が見られました
  2. 減配・無配リスクの現実性
     とくにみずほ、野村、大和のように無配や大幅減配に踏み切った事例は、「高配当投資=安定」とは限らないことを示唆しています。
  3. 株価の下落幅と回復力
     株価が下落した後、どれだけ早く回復できるかは、事業構造・資本政策・市場の信頼に大きく左右されます。特に三井住友や東京海上のような「比較的早期回復型」の銘柄は、今後の銘柄選定でも参考になります。

おわりに

今回は、リーマンショック時における金融セクターの株価・配当推移を検証しました。高配当株投資家にとって、減配リスクや業種間の特性は無視できない要素です。

「金融=リスクが高い」と一括りにせず、個別銘柄の財務健全性や配当方針を見極めることで、安定したインカム収入の確保につながります。

今後も、過去のデータに学びながら、より堅実なポートフォリオを組み立てていきましょう。

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サラリーマン
2017年にドルコスト平均法を知り、投資に興味を持つ。2018年の旧つみたてNISA開始と同時に資産運用を開始。老後資金2000万円を目指しコツコツと積立投資中。ブログでは、ナビゲーターとして登場する「ゴリラ先生」を通して、初心者の方にもわかりやすく資産運用を伝えています。先生の口調はやさしいですが、中の人はけっこうガチめに積立派です。
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