「掛け捨て保険はもったいない」は誤解!賢い保険選びと資産運用術

はじめに
「掛け捨て保険はもったいない」という声をよく耳にします。保険料が返ってこないため、終身保険の方がお得だと思う方も多いでしょう。しかし、本当にそうでしょうか?
実際には、掛け捨て保険の方がはるかに合理的で、終身保険との差額を資産運用に回すことで、より多くの資産を形成できる可能性があります。この記事では、掛け捨て保険のメリットをデータをもとに分かりやすく解説し、多くの人が抱える誤解を紐解いていきます。
掛け捨て保険と終身保険の違い
掛け捨て保険
- 特徴:保険料が比較的安く、一定期間だけ保障が得られる保険。
- メリット:
- 保険料が安い。
- 必要な期間だけ保障を得られるため、保険料を節約できる。
- デメリット:
- 満期を迎えると、保険料が返ってこない。
終身保険
- 特徴:一生涯の保障が得られ、解約時には解約返戻金が受け取れる保険。
- メリット:
- 保障が一生涯続く。
- 解約返戻金があるため、将来的に保険料が一部戻ってくる。
- デメリット:
- 保険料が非常に高額。
- 資産運用の効率は低い。
実際の保険料で比較してみる
筆者が某保険会社のシミュレーションツールで計算した結果、以下の保険料が算出されました。
- 20歳の男性が保険金1000万円の保険に加入する場合:
- 掛け捨て保険(80歳まで保障):月額2,712円
- 終身保険(80歳払込済み):月額9,960円
- 差額:7,248円
差額を資産運用に回した場合のシミュレーション
差額の7,248円を控えめの年利5%で60年間運用した場合、次のような結果になります。
- 運用元本:7,248円 × 12ヶ月 × 60年 = 約520万円
- 運用後の資産:約3300万円(年利5%で複利運用)
掛け捨て保険 vs 終身保険
- 掛け捨て保険の場合:
- 期間内に死亡した場合:保険金1000万円 + 資産運用中の金額
- 期間満了後に死亡した場合:資産運用で増えた約3300万円
- 終身保険の場合:
- 死亡した場合:保険金1000万円(+解約返戻金があれば追加)
このシミュレーション結果から、掛け捨て保険と資産運用の組み合わせが、どのケースでも終身保険を大きく上回る資産を残せることが分かります。
掛け捨て保険の資産形成における強み
1. 掛け捨て保険は保険の本来の目的に特化している
保険の目的は、「もしものときの経済的な保障」を得ることです。掛け捨て保険はこの目的にのみ特化しており、無駄な付加価値がついていないため、保険料を大幅に抑えることができます。
2. 差額を運用に回すことで資産を効率よく増やせる
終身保険の高い保険料を払う代わりに、掛け捨て保険との差額を運用することで、より多くの資産を形成できます。たとえば、運用利回りが低くても複利効果によって長期間で大きなリターンを得られるのが魅力です。
3. 期間内に死亡しても家族への支援が手厚い
掛け捨て保険は、保障が必要な期間だけしっかりとサポートします。仮に期間内に死亡してしまった場合でも、保険金に加えて運用資産が残るため、家族への支援が手厚くなります。
4. 満期を迎えても運用資産が活きる
掛け捨て保険の期間満了後に保険金が受け取れなくなっても、運用していた資産は手元に残ります。このため、万が一の保障を確保しながら、自分自身の資産形成も進められるのです。
資産運用の基本と注意点
複利の力を活用する
資産運用の基本は、得られた利益を再投資してさらに資産を増やす「複利効果」にあります。長期間運用することで、この複利効果が最大限に発揮されます。
リスク分散を意識する
差額を運用する際には、リスク分散を意識することが重要です。インデックスファンドやETFなど、低コストで分散投資が可能な商品を活用することで、安定した運用が期待できます。
長期運用を前提にする
資産運用は短期的な利益を追求するものではありません。長期運用を前提に、リスクを抑えながら安定的に増やすことを目指しましょう。

おわりに
「掛け捨て保険はもったいない」と思われがちですが、終身保険との差額を賢く資産運用に回すことで、はるかに効率的に資産を形成できます。掛け捨て保険は、保険の本来の役割である「万が一への備え」を果たしつつ、資産形成の自由度を高めてくれる優れた選択肢です。
保険選びは、自分のライフスタイルや資産形成の目標に合わせて行うことが大切です。この記事を参考に、掛け捨て保険と資産運用の組み合わせを検討し、安心で豊かな未来を築いていきましょう!