関税が上がるとどうなるの?ニュースがもっと理解できる基礎知識

はじめに
「関税って、ニュースではよく聞くけど、実際に経済にどう影響するの?」
「アメリカが中国に関税をかけると、日本にも関係あるの?」
そんな疑問を感じたことはありませんか?
特に最近では、“第二次トランプ政権”のもとで再び強硬な関税政策が注目されています。
この記事では、
- 関税ってそもそもなに?
- なぜかけるの?
- かけるとどうなるの?
- 私たちの暮らしにどう影響するの?
という点を、初心者にもわかりやすく、やさしく解説していきます。
関税ってなに?
関税とは、外国から商品が入ってくるときに国がかける“入場料”のようなお金のことです。
たとえば:
- 中国で作られたスマホをアメリカに輸入する
→ アメリカ政府が「1台につき20%の関税」をかける
→ アメリカで売るときは、その分価格が高くなる
これにより、外国の商品が高くなり、自国の商品が売れやすくなるという仕組みです。
なぜ関税をかけるの?
関税をかける理由は、大きく分けて3つあります。
① 自国産業を守る(保護貿易)
関税をかけて外国製品の価格を上げることで、自国の企業が不利にならないように守るという目的です。
例:アメリカが中国製の鉄鋼に高い関税をかける
→ アメリカ国内の鉄鋼業者の価格競争力が上がる
→ 倒産や雇用の減少を防ぐ効果が期待される
② 貿易赤字の是正
外国からの輸入が増えすぎると、貿易赤字になります。
関税で輸入品を減らし、「買いすぎ」を抑えるというねらいがあります。
③ 外交カードとしての利用
関税は経済的な圧力として外交の交渉材料に使われることもあります。
「このままでは関税を引き上げるぞ」=交渉を有利に進めるための“強いカード”
関税がもたらすメリット・デメリット
【メリット】
- 国内産業が守られる
- 雇用を維持できる可能性がある
- 外交上の交渉手段になる
【デメリット】
- 輸入品の価格が上がり、消費者の負担が増す
- 報復関税のリスク(相手国も関税をかけ返してくる)
- 経済全体の効率が下がり、インフレ圧力になることも
実例:トランプ政権の関税政策(第1期&現在)
第1次トランプ政権(2017〜2021年)では、「アメリカ・ファースト」のスローガンのもと、特に中国に対して強い関税政策が実施されました。
- 鉄鋼・アルミへの関税(25%など)
- 中国製品に最大25%の追加関税(約3,600品目)
結果どうなったかというと:
✔ 一部のアメリカ国内産業(鉄鋼など)は一時的に利益増加
✔ でも最終的には、部品価格の上昇が企業全体のコストを押し上げ、
✔ 消費者物価が上昇 → インフレの一因に
そして今:第二次トランプ政権と“法外な関税”
2025年現在、トランプ前大統領が返り咲き、再び関税強化路線が進行中です。
特に目立つのが:
- 中国からのEV(電気自動車)に対する高関税
- スマホや半導体などのIT部品にも対象拡大
- 関税率もかつてないレベル(40~60%台)に引き上げ
これにより何が起きているか?
✔ 米国内の物価上昇が再燃(輸入品に頼る分野が多いため)
✔ 製造業が「国内回帰」する動きもあるが、コスト高で景気には重荷
✔ 中国・欧州からの報復関税でグローバルな貿易摩擦が再び拡大中
私たちの暮らしにどう関係あるの?
「アメリカと中国の話でしょ?日本には関係ないのでは?」と思うかもしれませんが、実は直接影響があります。
- 輸入製品の値段がじわじわ上がる(スマホ、家電、日用品など)
- 世界経済が停滞すれば、日本企業の輸出もダメージ
- 円安になりやすく、生活コスト(光熱費・ガソリンなど)も上昇
つまり他国同士の関税の影響は、回り回って私たちの「家計」にまで届くのです。
関税をどう考えるべき?
- 一時的には国内産業保護になるが、中長期的には経済の“コスト”
- 国同士の報復が続くと、世界経済全体に悪影響
- 賢い消費者・投資家になるには、「ニュースの背景」を正しく理解することが大切
まとめ
- 関税とは、外国製品にかける“入場料”のようなもの
- 自国産業を守る一方で、消費者にとってはコストアップ
- 第二次トランプ政権では、関税政策が再び世界経済の波乱要因に
- 関税の影響は、日本の物価・為替・輸出企業にも波及する
世界経済を動かす「関税」というメカニズムを知っておくことで、
ニュースの見方も変わり、自分の資産や生活を守る判断力が身につきます。
経済ニュースに興味を持ち、その影響を知ることが、自分の将来のお金を守ることになるのです。