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分配金の正体は“自分のお金”?長期投資家が避けるべき毎月分配型の落とし穴

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はじめに

証券会社のランキングを見てみると、
上位には必ずといっていいほど「毎月分配型ファンド」が並んでいます。

「毎月お金がもらえるなら得じゃない?」
「年金のように使えるのでは?」

──そんなイメージから、人気が高い商品です。

しかし実際のところ、毎月分配型は若年層の長期投資には向いていません。
その理由は、分配金の“中身”と“構造”にあります。

さらに、最近のニュースでは、金融庁が新しいNISA制度で
「毎月分配型ファンドの販売を一部解禁する方向で検討」と発表しました。

ですがこれは、あくまで“65歳以上の取り崩し世代”を対象にした例外措置であり、
「若い人も買っていい」という意味ではありません。

この記事では、

  • 毎月分配型の仕組み
  • 特別分配金と基準価額の減少メカニズム
  • そして、なぜ若者の長期投資に不向きなのか

を分かりやすく解説します。

1. 毎月分配型とは?──“お小遣いがもらえる”ように見える仕組み

毎月分配型ファンドとは、その名の通り毎月分配金を支払う投資信託です。
たとえば、10万円を投資して、毎月500円〜1,000円が口座に入金されるような仕組みです。

「毎月入る=安心」と感じる人が多く、特に年配の投資家から根強い人気があります。

しかし、その分配金がすべて運用益から出ているとは限らないのがポイントです。
実際には、「自分の元本を取り崩して支払っている」ケースが多いのです。
どういうことなのか、詳しく解説します。

2. 分配金には2種類ある

分配金には、性質の異なる2つのタイプがあります

種類内容投資家への影響
普通分配金運用益から支払われる本来の利益資産は減らない
特別分配金元本(自分のお金)を取り崩して支払われる実質的に“資産を取り崩している”状態

つまり、特別分配金とは、運用がうまくいかないときに“自分のお金を返してもらっている”状態なのです。

3. 特別分配金が生まれるメカニズム

たとえば、こう考えてみてください。

  • 今月の運用益:0円
  • それでも、ファンドは「毎月1,000円分配します」と決めている

この場合、運用益がないのに分配するため、
ファンドの中から元本を削ってお金を出すしかありません。

結果的に、ファンドの基準価額(=1口あたりの価値)は下がります。

「利益が出ていないのに配る」=「タンス預金を少しずつ崩して渡している」のと同じことです。

こうして、見た目には“分配金がもらえる”ように見えても、実際には資産の減少が進んでいきます

4. 分配金が年々下がっていく理由

毎月分配型ファンドは、最初こそ分配金が高く見えます。
しかし、長期的に見ると多くのファンドが分配金を減らしていく傾向にあります。

なぜか? 理由は以下の通りです。

  1. 運用益より多くの分配金を出す
  2. 元本を削る(特別分配金が増える)
  3. 基準価額が下がる
  4. 運用できる元本が減る
  5. さらに分配金が下がる

この悪循環が続き、結果として「分配金が年々下がる」構造になります。

つまり、“お金がもらえる”安心感の裏側で、資産が少しずつ目減りしているのです

5. 長期投資との相性が悪い理由

毎月分配型が若者の長期投資に向かない最大の理由は、
「複利の力」を活かせないことです

投資の最大の武器である“複利”とは、
利益を再投資し、その利益がさらに利益を生む」仕組み。

ところが毎月分配型では、
利益(もしくは元本)を外に出してしまうため、
雪だるまのように資産が育つ仕組みが止まってしまうのです。

たとえば、
毎月1,000円を受け取る代わりに、
その1,000円を再投資していれば、10年後には「利息の利息」で増えています。
しかし、分配を受け取るたびに再投資の機会を逃すことになります

6. 金融庁が「65歳以上限定で解禁」を検討している理由

ここで少しニュースの話をしましょう。

2026年以降のNISA制度変更では、
金融庁が「毎月分配型ファンド」の販売解禁を要請しています。

しかし、これは「すべての世代に推奨」という意味ではありません

金融庁が想定しているのは、65歳以上の“取り崩し世代”です。

つまり、

  • すでに資産を育て終えた人
  • 老後の生活費として、運用益や元本を少しずつ取り崩したい人

このような人にとっては、毎月分配型は“取り崩しを自動化できるツール”として有効なのです。

一方で、資産を増やす段階(積立期)にある若年層には不向き
金融庁自身も「長期・積立・分散による資産形成を優先」と明言しています。つまり、「解禁」ではなく「限定的な用途での容認」なのです

資産を取り崩したい時は

SBI証券や楽天証券などのネット証券は、
投資信託の定期売却サービスを取り扱っています。
これを使えば、通常の投資信託でも毎月分配型のようにお金を受け取ります。
筆者としては、取り崩しにはこちらをオススメしています
興味のある方は確認してください。

SBI証券の投資信託定期売却サービス
楽天証券の定期売却サービス

7. 若者が選ぶべきは「無分配型・再投資型」

もしあなたがまだ“増やす段階”の投資家であるなら、
毎月分配型ではなく、「分配金再投資型(無分配型)」のファンドを選びましょう

たとえば:

  • eMAXIS Slimシリーズ
  • SBI・Vシリーズ
  • つみたてNISA対象インデックスファンド

これらは運用益をすべて再投資に回すため、
時間が味方になり、複利効果が最大化します。

8. まとめ:受け取る投資から、育てる投資へ

投資スタイル毎月分配型再投資型(つみたて型)
主な対象取り崩し世代(65歳以上)資産形成世代(20〜50代)
分配金毎月支払い(元本減少リスクあり)なし(運用益は自動再投資)
メリット現金収入を確保できる複利効果で資産を成長させられる
デメリット長期で資産が減りやすい現金収入は得られない

若い世代が目指すべきは「配当を受け取る」より「資産を育てる」投資。
分配金という安心感に惑わされず、長期の成長と再投資を優先しましょう。

当サイトで繰り返しお伝えしているように、まずはインデックス投資で土台を作ってから高配当株を始めるのがオススメです。

おわりに

毎月分配型ファンドは、一見すると“安定してお金がもらえる安心な商品”に見えます。
しかしその裏には、自分の元本を取り崩す構造があり、
長期的な資産形成には向かない設計です。

金融庁が“取り崩し世代のみ”を対象に検討しているのも、
「積み立て期」と「取り崩し期」では目的が異なるからです。

若い世代にとって、投資は「育てる」ことが目的
短期の安心より、長期の成長を選ぶ。
それが、将来のゆとりを生む最善の選択です。

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サラリーマン
2017年にドルコスト平均法を知り、投資に興味を持つ。2018年の旧つみたてNISA開始と同時に資産運用を開始。老後資金2000万円を目指しコツコツと積立投資中。高配当個別株投資などを経て、現在は自身が考案した『3本柱投資』を実践中。ブログでは、ナビゲーターとして登場する「ゴリラ先生」を通して、初心者の方にもわかりやすく資産運用を伝えています。先生の口調はやさしいですが、中の人はけっこうガチめに積立派です。 PVアクセスランキング にほんブログ村
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