世界の高配当株に低コストで投資!アムンディ・オルカン高配当株ファンドの実力

はじめに
高配当株投資は、配当収入を得ながら資産形成を進められる人気の投資戦略です。しかし、「高配当株」とひとことで言っても、配当利回りの高さだけを追い求めると、業績悪化や減配リスクを抱える企業をつかんでしまう可能性もあります。
そこで注目されるのが、配当利回りの高さに加え、財務健全性や配当持続性まで考慮して銘柄を厳選するインデックスです。
今回取り上げる(アムンディ・インデックスシリーズ)オールカントリー・高配当株は、日本で購入できる唯一の「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス 高配当利回りインデックス」に連動するインデックスファンドです。この記事では、2025年6月末の最新月次レポートをもとに、このファンドの基本情報から運用内容、オルカンとの違い、メリット・注意点まで詳しく解説します。
1. 基本情報(2025年6月末時点)
項目 | 内容 |
---|---|
ファンド名 | (アムンディ・インデックスシリーズ)オールカントリー・高配当株 |
運用会社 | アムンディ・ジャパン株式会社 |
ベンチマーク | MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス 高配当利回りインデックス(税引後配当込み/円換算) |
基準価額 | 9,986円 |
純資産総額 | 17.33億円 |
信託報酬 | 年0.165%(税込) |
設定日 | 2024年6月28日 |
決算日 | 年4回(2月・5月・8月・11月) |
販売会社 | SBI証券、楽天証券、マネックス証券、松井証券など主要ネット証券 |
2. ベンチマークの概要
MSCI オールカントリー高配当利回りインデックスは、先進国23カ国と新興国24カ国を対象に、高配当でありつつも企業の財務基盤や配当の持続性に優れた企業を選定します。選定条件は以下の通りです。
- 配当利回りが親指数(MSCI ACWI)の1.3倍以上
- 過去5年間の配当がマイナス成長でない
- 財務健全性(ROE、負債比率など)が一定基準を満たす
- 株価の急落率が上位5%以内でない
このフィルタリングによって、「高配当で質の高い企業群」が世界中から選ばれます。

3. パフォーマンス(2025年6月末時点)
期間 | ファンド | ベンチマーク |
---|---|---|
1ヶ月 | +2.69% | +2.70% |
3ヶ月 | +1.02% | +0.32% |
6ヶ月 | +0.23% | +0.22% |
設定来 | +1.93% | +2.17% |
4. 分配金実績
- 2024年11月20日:80円
- 2025年2月20日:40円
- 2025年5月20日:85円
- 累計(設定来):205円/1万口(税引前)
分配金は年4回決算型ですが、高配当株ファンドにしては控えめ。これは配当金を再投資に回す方針によるもので、キャッシュフローを重視するよりも、複利成長による資産拡大を狙う設計です。
5. 資産構成と組入状況
資産構成
- 株式現物:97.42%
- 株式先物:2.51%
上位5業種(GICS分類)
- 金融:17.06%
- 生活必需品:16.55%
- ヘルスケア:12.45%
- エネルギー:9.98%
- 一般消費財・サービス:9.89%
上位5カ国・地域
- 米国:45.96%
- 日本:6.61%
- スイス:6.02%
- 英国:5.32%
- フランス:4.22%
上位10銘柄
- エクソンモービル(米国/エネルギー)2.69%
- プロクター&ギャンブル(米国/生活必需品)2.14%
- ジョンソン&ジョンソン(米国/ヘルスケア)2.10%
- ホームデポ(米国/一般消費財)2.10%
- アッヴィ(米国/ヘルスケア)1.85%
- フィリップモリス(米国/生活必需品)1.62%
- コカ・コーラ(米国/生活必需品)1.57%
- IBM(米国/情報技術)1.55%
- ユナイテッドヘルス(米国/ヘルスケア)1.54%
- シスコシステムズ(米国/情報技術)1.49%
6. オルカンとの違い
項目 | 本ファンド | オルカン(MSCI ACWI) |
---|---|---|
銘柄選定 | 高配当+財務健全性+配当持続性 | 時価総額加重(配当基準なし) |
配当利回り | 約3〜4% | 約1.7% |
成長性 | 中程度(成熟企業中心) | 高め(成長株多め) |
セクター傾向 | ディフェンシブ多め | 成長セクターも幅広く含む |
株価変動 | やや安定的 | 市場全体に連動 |
本ファンドは「高配当と安定性重視」、オルカンは「成長性重視」です。配当は控えめに再投資されるため、インカムとキャピタルのバランス型といえます。
7. メリットと注意点
メリット
- 世界中の高配当株に低コストで投資可能
- 財務健全性・配当持続性を加味した厳選銘柄
- 長期保有向けの低コスト設計(年0.165%)
注意点
- 為替リスクは避けられない
- 高配当株中心のため成長株ほどの値上がりは見込みにくい
- 分配金は控えめで、定期収入目的には不向き
まとめ
(アムンディ・インデックスシリーズ)オールカントリー・高配当株は、「安定したリターンを長期で積み上げたい投資家」に向くファンドです。オルカンと比べて配当利回りが高く、景気変動に強いディフェンシブ銘柄を多く含みます。分配金は控えめですが、その分ファンド内で再投資され、長期的な複利効果を最大化できます。
こんな人におすすめ
- 世界の高配当株にまとめて投資したい
- 安定感と成長性のバランスを重視する
- オルカンと組み合わせて配当比率を高めたい