今さら人に聞けない投資用語!『アセットロケーション』ってなに?

1. はじめに
投資をする上で、「アセットアロケーション(資産配分)」という言葉はよく聞くものの、「アセットロケーション(資産の置き場所)」について詳しく理解している人は意外と少ないかもしれません。
実は、どの資産をどこに置くか(アセットロケーション)は、税制面での効率を考える上で非常に重要な戦略 です。
2024年からの新NISA制度や、iDeCo(個人型確定拠出年金)、企業型DC(企業型確定拠出年金)など、投資をする際に選択肢が増えている今だからこそ、「アセットロケーション」の考え方をしっかり押さえておくべきでしょう。
2. アセットアロケーションとアセットロケーションの違い
まず、混同しやすい「アセットアロケーション」と「アセットロケーション」 の違いを明確にしておきましょう。
用語 | 意味 | 具体例 |
---|---|---|
アセットアロケーション | どの資産クラス(株・債券・不動産・ゴールドなど)に投資するかを決める戦略 | 「全体の50%を株式、30%を債券、10%を不動産、10%をゴールドに配分する」 |
アセットロケーション | 投資する資産を、どの口座(NISA・iDeCo・課税口座など)に置くかを決める戦略 | 「米国ETFはNISA口座、日本株は課税口座、債券はiDeCoに置く」 |
📌 アセットアロケーションは「資産の種類をどう配分するか」、アセットロケーションは「資産をどの口座に置くか」を決めるもの。
どちらも資産運用の成功に欠かせませんが、「アセットロケーション」を最適化することで、税制メリットを最大限に活用できるのです。

3. なぜアセットロケーションが重要なのか?
「アセットアロケーション」だけでなく、「アセットロケーション」にもこだわるべき理由は、主に以下の3つです。
① 税制メリットを最大限活用できる
口座の種類によって、税金の優遇度が異なります。
例えば、新NISAやiDeCoは運用益が非課税ですが、特定口座(課税口座)では 運用益に約20%の税金がかかるため、成長が期待できる資産は非課税口座に優先的に置くのが賢い戦略です。
② 流動性を確保できる
iDeCoは節税メリットがあるものの、60歳まで引き出せないという制約があります。
そのため、流動性の高い資産(短期的に現金化する可能性がある資産)はNISAや特定口座に置く方が適していることになります。
③ リスク管理がしやすくなる
税制メリットだけでなくどの資産をどの口座に置くかによってリスクの分散方法も変わるため、アセットロケーションを最適化することで、ポートフォリオ全体のバランスを整えることができます。
4. 具体的なアセットロケーションの実践例
では、実際にどのように資産を配置すれば良いのか、具体例を挙げて解説します。
📌 例1:新NISAと課税口座の使い分け
✅ 「長期的に成長する資産はNISA、配当狙いの資産は課税口座」
- 新NISA(非課税) → 米国株・全世界株・成長株ETF
- 課税口座(税金がかかる) → 高配当株・債券・REIT
📌 例2:iDeCoと特定口座の組み合わせ
✅ 「老後資産はiDeCo、流動性の高い資産は特定口座」
- iDeCo(運用益非課税・60歳まで引き出せない) → 債券ETF・バランスファンド
- 特定口座(流動性を確保) → 個別株・短期投資用ETF
📌 例3:退職金運用のケース
✅ 「税制メリットを活かして、退職金を効率的に運用」
- 企業型DC(企業年金) → 安定運用のための債券ファンド
- NISA → 成長期待の高い米国株・全世界株
- 特定口座 → 生活資金用の預金・短期債券
5. 注意点とデメリット
アセットロケーションを考える際に、以下の点にも注意が必要です。
📌 「節税メリット」にこだわりすぎると、流動性が低くなる
→ iDeCoや企業型DCは60歳まで引き出せないため、短期的な資金ニーズに対応できないリスクがある。
📌 「口座を分散しすぎる」と管理が大変になる
→ いろいろな口座に資産を分散しすぎると、リバランスが面倒になり、効率が落ちる可能性がある。
📌 税制改正に注意
→ 2024年の新NISAのように、制度が変更されることがあるため、定期的に最新情報をチェックすることが重要。
6. まとめ
「アセットロケーション」は、単なる税制メリットを狙うだけではなく、流動性やリスク管理も考慮しながら、最適な口座を選ぶ戦略です。
✔ 長期成長資産はNISAに置く
✔ 配当収益を得る資産は課税口座でも活用
✔ 老後資産はiDeCoなどの非課税枠を活用
資産運用の効率を最大化するために、ぜひ「アセットロケーション」も意識してみてください!