今さら人に聞けない投資用語!『リスクとリターン』ってなに?

はじめに
投資の本やネット記事を読んでいると、必ず出てくる「リスクとリターン」という言葉。
なんとなく、「リスク=危ない」「リターン=もうけ」だと思っていませんか?
でも、投資の世界で使われる「リスク」や「リターン」には、日常的な意味とはちょっと違う定義があります。
しかもこの2つは、セットで理解することがとても重要です。
この記事では、投資初心者が誤解しがちな「リスクとリターン」の基本を、身近な例を交えながらやさしく解説していきます。
リスクとは「結果のブレ幅」のこと
まず、「リスク」の意味から。
投資の世界でリスクと言うとき、それは「危険」という意味ではなく、結果のブレ幅(変動の大きさ)のことを指します。
たとえば、次のような例を考えてみましょう。
例:定期預金 vs 株式
- 定期預金:年利0.002%程度。増えないけど、元本は保証されていて安全。
→ リスクは小さい - 株式投資:年によって+20%になることもあれば、-30%になる年もある。
→ リスクは大きい
このように、結果が大きく動く(=変動する)可能性があるほど、リスクが高いとされます。
リターンとは「投資で得られる成果」
次に「リターン」ですが、これは投資で得られる利益(または損失)のことです。
具体的には、どのくらいお金が増えたか、あるいは減ったかをパーセンテージで表します。
例:年利の比較
- 年5%のリターン → 100万円が1年で105万円に
- 年-10%のリターン → 100万円が1年で90万円に
投資信託、株式、債券などの商品ごとに、期待されるリターンの水準が異なります。
ただし、リターンが高い商品は、それだけリスク(変動)も大きくなる傾向があるのです。
リスクとリターンはセットで考えるべし!
ここが一番大事なポイントです。
投資の世界では、リスクとリターンはセットで考えるのが基本です。
高いリターンが期待できる商品は、それだけ価格の上下が激しく、損をする可能性も大きいということです。
例:宝くじと債券
- 宝くじ:数億円が当たる可能性もあるけど、ほとんどが外れ。
→ リスク超大、リターン超大(ただしほぼ実現しない) - 国債(日本):年利0.1〜0.3%程度。価格変動は小さく、ほぼ確実に返ってくる。
→ リスク小、リターン小
初心者が「年利10%!」などの宣伝に飛びつくのは危険です。
その裏には、「数十%のマイナスになるかもしれないリスク」が潜んでいることを忘れてはいけません。
実際の商品を見てみよう
投資信託の説明ページなどを見ると、「年率リターン」「標準偏差(リスク)」といった数値が書かれています。
例:ある投資信託のデータ(仮)
指標 | 内容 |
---|---|
年平均リターン | 6.5% |
標準偏差(リスク) | 15.0% |
この場合、リターンは6.5%と高めですが、15%のリスクがある=上下の振れ幅が大きいということ。
過去の傾向から「翌年は+21%のこともあれば、-8%になるかもしれない」という予測が立つわけです。
自分に合ったバランスを考える
「リスクとリターンのバランス」は、人それぞれ違います。
- 20代〜30代:長期で運用できるので、ある程度リスクを取ってもOK
- 50代〜60代:リスクを抑えて元本割れのリスクを避けたい
- 生活に余裕がある人:リスクを取ってリターンを狙うのもアリ
- すぐに使う予定のあるお金:リスクを取らず、安全第一で運用
「安心して眠れるかどうか」が、リスクの感じ方を測る良い指標です。
不安で夜眠れないような投資は、自分には合っていないと考えましょう。
初心者におすすめのスタンス
リスクとリターンの関係がわかってきたら、以下のような運用方針をおすすめします。
- 目的別にお金を分ける(用途別ポートフォリオ)
→ 生活防衛資金は元本保証、将来資金はリスクを取って運用など - インデックス投資で広く分散する
→ リスクが比較的安定し、リターンも現実的な水準 - 長期・積立・分散が基本!
→ 一括投資でのリスク集中を避け、時間と商品でブレを抑える
まとめ
- リスクとは「投資結果のブレ幅」、リターンとは「成果」
- 高リターンには高リスクが伴う(逆に言えば、リスクを取らなければリターンも低い)
- 商品を選ぶときは「リターンだけでなく、リスクの数値や傾向もチェック」
- 自分の年齢・目的・性格に合ったバランスを考えることが大切