ゴリラ先生のやさしい投資教室│第10回 不安なときこそiDeCo?60歳まで引き出せないのが安心ってどういうこと?

スーツとメガネがトレードマークの、頼れるお金のナビゲーター。
知識は豊富だけど説明はやさしく、質問には真剣に向き合ってくれる。
今日もハルトとミナミの“なぜ?”に、穏やかに答えてくれる先生。

YouTubeで見たFIRE動画に憧れて、投資に興味を持った13歳。
テンバガーや仮想通貨にすぐ飛びつく、元気でちょっとビビりなタイプ。
まだ投資は未経験で、ミナミやゴリラ先生に教わりながら勉強中。

SNSで投資を知り、「お金の勉強って大事かも」と思い始めた13歳。
慎重派で、定期預金や貯蓄型保険に安心感を覚えるタイプ。
ハルトの勢いに振り回されつつも、一緒に少しずつ学んでいる。

はじめに

ねえハルト、ゴリラ先生が書いてた“iDeCoは60歳まで引き出せないけど、それが安心につながる”っていう記事、読んだ?

読んだよ!でもさ、“引き出せないのが安心”って、ちょっと矛盾してない?って思っちゃったよ…

わかる〜。しかも“節税できる”とか書いてあったけど、なんだか仕組みが難しそうで…

ふふふ、おふたりとも、よく記事を読んでくれていましたね。今回はその内容を、もっとやさしく、かみくだいて説明しましょう!
長期投資に役立つ“2大非課税制度”といえば、新NISAとiDeCo。そのうち新NISAについては前回の授業で取り上げましたので、今回はもうひとつの柱、“iDeCo”をテーマにします。

ちなみにiDeCoは、原則として20歳から利用できる制度です。まだ使えない中学生のおふたりにとっても、“今のうちに仕組みを理解しておくこと”が将来の資産形成にとても役立ちますよ!
なぜ「引き出せない」ことが安心につながるの?

でもやっぱり…60歳まで引き出せないって、ちょっと怖くないですか?

たしかに“自由に引き出せない”と聞くと、マイナスに思えますよね。しかし、投資をしていると“下がったときに焦って売ってしまう”ことが多いのです。

“狼狽売り(ろうばいうり)”ってやつだ!

その通りです。iDeCoは強制的に“売れないしくみ”になっているので、暴落が来ても持ち続けられる。だから“結果的に利益が出やすくなる”というわけです。
続ける力をくれるのがiDeCo

続けたくても、気持ちが揺らいじゃうとやめたくなりますよね…

ええ、人間の心理は弱いもの。下がっているチャートを見て、怖くて売ってしまうのはよくあることです。でも、iDeCoでは“売る”という選択肢がなくなるので、強制的にドルコスト平均法を継続できるんです。

つまり、最初から“売れないこと前提”だから、逆に心がラクになるってこと?

まさにその通りです!“売らない自分”を作るのではなく、“売れない仕組み”に自分を預けること。それが、長期投資におけるiDeCoの最大の武器ですね。
iDeCoって「何に投資するか」も選べるの?

iDeCoって、貯金じゃなくて“投資”もできるって聞いたけど、本当?

はい、iDeCoでは株式型、債券型、バランス型など、さまざまな投資信託を自分で選ぶことができます。特にインデックス型の商品が人気ですね。

じゃあ、リスクを取りたくなければ元本確保型も選べるんですか?

もちろんです。ただし、元本確保型だけでは資産の成長が難しいので、時間がある若いうちはリスクを取りすぎない範囲で“成長型”を混ぜるのがおすすめですよ。
本当にメリットあるの?iDeCoの控除の話

iDeCoって“節税になる”って聞くけど、なんとなく難しいです…

いい質問ですね。iDeCoには3つの節税メリットがあります。
- 掛金が全額所得控除 → 毎年の税金が安くなる!
- 運用益が非課税 → 通常20.315%の税金がゼロに!
- 受取時も控除あり → 一時金・年金のどちらでもお得に受け取れる!

…え、3回も節税できるの!?

はい。ですから“時間を味方につけて、税金を減らしながら積み立てられる”という点で、若いうちから始めるメリットは大きいのです。
ゴリラ先生のまとめ
- iDeCoは「売れない=安心」のしくみで、長期投資にぴったり!
- 暴落がきても“狼狽売り”せずに済むので、着実な積み立てができる。
- 節税効果も強力。若いうちに始めるほどリターンが大きくなる。
- 使える投資商品は多様。リスクと相談しながら選ぼう!