金融事業者と顧客の利益相反問題|金融庁の指摘と賢い立ち回り方

はじめに
金融機関やファイナンシャル・プランナー(FP)に相談する際、私たちは「このアドバイスは本当に自分のためになっているのか?」と考えたことはあるでしょうか?
実は、金融事業者と顧客の間には利益相反(conflict of interest)の問題が潜んでいることが多く、これに対して金融庁が問題提起をしています。
特に、金融庁は「金融機関やFPが顧客よりも自分たちの利益を優先するケース」に警鐘を鳴らしており、
✅ 手数料の高い金融商品を優先的に勧める
✅ 特定の運用会社の商品を優遇する
✅ アドバイザーが第三者から報酬を受け取ることで中立性が損なわれる
などの問題を指摘しています。
では、私たちはこの利益相反問題をどう理解し、どのように立ち回ればよいのでしょうか?
この記事では、金融庁が問題視している内容、金融機関や代理店の現状、そして私たちが取るべき対策 を詳しく解説していきます。
1. 金融庁が問題視する利益相反とは?
金融庁の見解
金融庁は、金融事業者が顧客の利益ではなく、自社の利益を優先する行動を強く問題視しています。
特に、2022年12月の金融審議会の報告では、以下のような利益相反が指摘されました。
📌 金融庁が問題視するポイント
✅ 販売手数料が高い金融商品が優先的に販売される
✅ 代理店が運用会社や保険会社からキックバックを受け取る
✅ 販売員のインセンティブが、顧客の利益と相反する形で設定されている
✅ 金融機関が特定の商品を優遇し、他の選択肢を十分に提示しない
例えば、銀行や証券会社で投資信託を購入すると、販売手数料が高いアクティブファンドを勧められるケースが多いですが、これは販売側にとって利益率が高いからです。
また、保険代理店では「本当に顧客に合った保険」ではなく、手数料の高い保険が推奨されることもあります。
このような状況を金融庁は問題視し、金融機関やFPに対して「顧客の最善の利益」を優先することを求める動きを強めています。

2. 代理店の現状|利益相反の実態とは?
(1)銀行・証券会社の投資商品の販売
銀行や証券会社では、販売手数料の高い商品が優先的に推奨されるケースがよくあります。
特に、投資信託の販売では「信託報酬が高い商品」ほど販売会社の利益になるため、顧客にとっては不利な選択になることも。
📌 投資信託の販売における利益相反の例
- 手数料無料のインデックスファンドではなく、手数料が高いアクティブファンドを勧める
- ラップ口座(資産運用の一括管理サービス)を勧めるが、手数料が割高
- 特定の運用会社の商品を優遇し、選択肢を狭める
(2)保険代理店の販売手法
保険代理店のビジネスモデルは「手数料ビジネス」であり、保険会社からの報酬によって成り立っています。
そのため、手数料が高い保険ほど販売員のインセンティブが高くなる構造になっています。
📌 保険販売における利益相反の例
- 本当は不要な特約を付けた高額プランを推奨
- 貯蓄型保険(終身保険など)を強く勧め、掛け捨て保険を案内しない
- 特定の保険会社の商品だけを紹介し、他の選択肢を提示しない
例えば、「教育資金のために学資保険を契約したい」と相談すると、実は学資保険よりもつみたてNISAのほうが有利な場合があるにもかかわらず、保険を強く推奨されるケースもあります。
3. 私たちはどう立ち回るべきか?
(1)手数料の仕組みを理解する
まず、「販売員がどのように報酬を得ているか」を知ることが重要です。
✅ 金融機関やFPはどこから手数料を得ているのか?
✅ なぜこの商品を勧めるのか?他に選択肢はあるのか?
例えば、投資信託を選ぶ際に
🔹 販売手数料が無料(ノーロード)で、信託報酬が低い商品
🔹 販売手数料が高く、信託報酬も高い商品
があった場合、後者を勧められたときは注意 したほうがよいでしょう。
(2)「顧客本位の業者」を選ぶ
金融庁は、顧客本位の業務運営を行う金融機関に対して「顧客本位の原則」を求めています。
この「顧客本位の宣言」を明確にしている企業を選ぶのも一つの方法です。
(3)自分で学ぶことが最大の防御策
最も重要なのは、自分自身で金融リテラシーを高めることです。
金融機関のアドバイスを鵜呑みにせず、以下のようなことを意識しましょう。
✅ 手数料の仕組みを理解する(販売手数料・信託報酬・保険の手数料など)
✅ 複数の選択肢を比較する(1社だけの話を聞かない)
✅ 金融庁の発表するガイドラインや消費者向けの資料をチェックする
おわりに
金融庁が問題視する「金融事業者と顧客の利益相反」は、私たちの資産形成に大きな影響を与えます。
賢く立ち回るためには、手数料の仕組みを理解し、複数の選択肢を比較し、自分自身で学ぶ姿勢を持つことが重要です。
この記事を参考に、ぜひ「本当に自分のためになる金融商品」を選んでいきましょう!