ちょっと待って!新大学生が狙われるマルチ商法の罠と守る方法

はじめに:大学デビューは“自由”と“リスク”の始まり
春、希望に胸ふくらませて大学生活をスタートした新入生たち。サークル、バイト、旅行、恋愛…。高校時代より自由な時間と環境に、ワクワクが止まらない人も多いでしょう。
しかし、その“自由”が思わぬ落とし穴となるケースがあります。
それが、「マルチ商法」や「副業詐欺」など、若者を狙った悪質なビジネス勧誘です。
社会経験の少ない新大学生は、これらの手口にとって絶好のターゲット。最悪の場合、数十万円の借金を背負い、人間関係すら壊してしまうこともあるのです。
なぜ“新大学生”が狙われやすいのか?
悪質な勧誘業者は、ターゲットをしっかり分析しています。とくに新大学生に対しては、以下のような“狙いやすさ”があるのです。
- 時間がある:平日の昼間や休日に誘い出せる
- 社会経験が浅い:常識や法律の知識が乏しく、疑問を持ちにくい
- 金銭への欲求が高まる時期:一人暮らしや趣味のために「稼ぎたい」と思う人が多い
- 親元を離れて相談しづらい:頼る相手が身近にいない
こうした背景から、あらゆる手段で近づいてきます。
手口はこうして始まる!あなたの隣にある“非日常”
カフェで突然の声かけ
「一人で本読んでたけど、何か勉強してるの?将来のために何かやってるのって偉いね」
こんな風に、さりげなく話しかけてくる男女。実は彼ら、特定の“勧誘目的”の団体に属していて、新入生が集まりそうな場所で待ち伏せしていたのです。
最初は“いい人そう”に見えても、LINEを交換したあたりから様子が変わります。
「うちの先輩がすごくて、将来のこととか相談すると人生変わるよ」
「無料セミナーだから、とりあえず来てみない?」
そう誘われて行った先で、いつの間にか“夢を叶えるための教材”や“在宅でできるビジネス”の話に…。

実録:新大学生の被害エピソード
ケース①:「最初はただの友達だったのに…」
地方から上京してきたAさんは、大学生活に不安を感じていた矢先、カフェで話しかけてきた女性と仲良くなりました。何度か会ううちに「ビジネスの話を聞いてみない?」と誘われ、軽い気持ちで参加。
内容は「健康食品の販売代理店」になるという話で、「友達を紹介すればすぐ回収できる」と説明されました。
気がつけばクレジットカードで20万円の商品を購入。
その後、友人に紹介するも断られ、次第に孤立。女性とも連絡が取れなくなり、苦い経験だけが残りました。
ケース②:「副業で10万円稼げるって本気で信じてた」
BさんはSNSで知り合った“意識高い系”の先輩から「バイトより稼げる副業がある」と言われ、ネットワークビジネスに参加。仮想通貨や投資ツールを販売する仕組みで、最初に支払ったのは8万円。
説明会では「これからの時代は投資!」「行動しない人が損をする!」という言葉の嵐に圧倒され、冷静な判断ができなかったと言います。
結局、稼げたのは最初に紹介した友達からの“紹介報酬”だけで、それ以降は完全にストップ。
「もう信用を失ったから誰にも声かけられない」と悩む姿は、今も鮮明に記憶に残っています。
悪質勧誘から自分を守る!新大学生のための5つの防衛術
① 「うまい話」はまず疑う
「たった数万円で人生が変わる」「毎月10万円の不労所得」
こうしたキャッチコピーは、冷静に考えれば非現実的です。リスクの話をしない勧誘は、基本的に疑ってかかるべきです。
② その場で決断しない
「今すぐ申し込まないと損するよ!」という言葉は、冷静な判断を妨げるためのテクニック。
必ず一度家に持ち帰ってから考えましょう。その時点で怪しいと気づけることも多いです。
③ 友達の紹介でも油断しない
友人からの誘いでも、内容が「ビジネス」「投資」「副業」なら要注意。
その友人もまた、誰かに紹介されて騙されているかもしれません。
④ 断る勇気を持つ
「せっかくのチャンスなのに」「自分だけ損していいの?」というプレッシャーに負けないこと。
曖昧な返事ではなく、はっきり「興味ありません」「やりません」と伝えるのが一番効果的です。
⑤ 親や学生課、消費生活センターに相談
困ったときは、一人で抱え込まないこと。
大学の学生課、消費生活センター(188)などは、学生向けの相談を親身に受けてくれます。
まとめ:自由な大学生活を守るために、知識と冷静さを
新大学生は、人生の選択肢が大きく広がるタイミング。
しかしその自由の裏には、思わぬ危険が潜んでいます。
マルチ商法や副業詐欺の勧誘は、日常のふとした瞬間に近づいてきます。
大切なのは、「知識を持つこと」「冷静であること」「誰かに相談すること」。
社会の一歩を踏み出す大学生活を、悪質な勧誘で台無しにしないように。
あなた自身と、あなたの未来を守れるのは“あなたの判断力”です。