日銀利上げ観測で円高傾向。S&P500への投資は中断すべき?

1. はじめに
日銀が金融政策を見直す可能性が報じられ、円高傾向が注目されています。「このまま円高が続くなら、S&P500を中心とした米国株への投資は不利になるのでは?」と不安を感じる方も多いかもしれません。
結論から言うと、15~20年以上の長期投資を前提としたS&P500への投資は中断すべきではありません。短期的な為替変動や株価の下落に惑わされるのではなく、「持ち続けること」と「積み立て続けること」が成功の鍵となります。
本記事では、円高がS&P500への投資に与える影響を解説し、長期投資を続けるべき理由とその具体的な方法についてお伝えします。
2. なぜ円高になるとS&P500投資が不利になるのか?
円高がもたらす影響
S&P500をはじめとする米国株への投資は、日本円をドルに換えることで実行されます。そのため、為替レート(円高・円安)は以下のような形で影響します:
- 円建ての資産評価額が減少する
例:1ドル=150円のときに投資した資産が1万ドル(150万円)だった場合、円高で1ドル=130円になると、同じ1万ドルでも円換算で130万円に目減りします。 - 配当金の円換算額が減少
米国企業からの配当金はドル建てで支払われます。為替が円高に振れると、同じドル額の配当でも円換算の受取額が減る可能性があります。 - 為替差損の発生
円高局面で米国株を売却する場合、ドルを円に換える際に損失が発生することもあります。
円高局面で投資家が不安を感じる理由
- 短期的な損失が目立つ
円高になると、評価額が下がり一時的な損失が強調されがちです。これにより、「今のタイミングで投資を続けるべきか?」と不安になる方が多いのです。 - タイミングを見計らう心理
「もっと円高になってから買おう」という心理が働き、投資を中断する選択をしがちです。しかし、為替や株価のタイミングを正確に予測するのはプロでも困難です。
3. 長期投資なら為替リスクは平均化される
長期では為替リスクは薄まる
為替相場は短期的には変動が激しいものの、長期的には円高と円安が交互に繰り返される傾向があります。
例えば、過去40年間のドル円相場を見ても、1ドル=80円~150円の範囲で推移しており、極端な円高・円安の期間は一時的です。
15~20年以上の長期投資を行う場合、為替リスクは平均化され、トータルで見ると影響は小さくなる可能性が高いと考えられます。
S&P500の長期リターンが為替リスクを上回る
S&P500は、米国の大型企業500社で構成された代表的な株価指数であり、過去のデータから年平均3~7%程度のリターンを生み出してきました。このリターンは、短期的な為替リスクを十分に上回る可能性があるため、長期投資では大きな魅力となります。
また、20年以上の投資期間ではマイナスリターンになったことが一度もないという実績があり、短期的な為替変動や株価変動に対するリスクを抑える効果が期待できます。

4. 積み立て投資を中断しないことの重要性
円高時こそ積み立てのチャンス
積み立て投資(ドルコスト平均法)は、価格が下がった時に多くの口数を購入できるメリットがあります。円高局面ではドルの買い付けコストが下がるため、長期的なリターンを押し上げる効果も期待できます。
例えば、1ドル=150円の時に積み立てを行っていた場合と、1ドル=130円の時に行う場合では、円高時の方が同じ金額で多くのドルを購入でき、結果的に資産形成が加速する可能性があります。
長期保有の重要性
短期的な円高や株価下落があっても、S&P500を20年以上保有することで、経済成長の恩恵を受け、資産を増やせる可能性が高まります。短期的な変動に惑わされず、「持ち続けること」を重視する姿勢が成功につながります。
5. まとめ:短期の変動に惑わされず長期目線を貫こう
日銀の利上げ観測や円高傾向が話題になる中、S&P500への投資を中断すべきか悩む方もいるかもしれません。しかし、15~20年以上の長期投資を前提とする場合、短期的な為替や価格変動に惑わされる必要はありません。
- 為替リスクは長期で平均化されるため、一時的な円高を気にしすぎる必要はありません。
- 積み立て投資は円高局面でも有効で、ドルを安く買えるチャンスと捉えましょう。
- S&P500の長期リターンは、20年以上保有することでマイナスリターンを記録していない実績があり、経済成長の恩恵を享受しやすいです。
長期投資では「持ち続けること」と「積み立て続けること」が成功の鍵です。短期の変動に惑わされず、自分の投資計画を信じて進めていきましょう。