今さら人に聞けない投資用語!『スイングトレード』ってなに?
はじめに
株式投資やFXなどで耳にする「スイングトレード」という言葉。
なんとなく「デイトレードより長く、長期投資より短い」というイメージはあるけれど、
具体的にどんな取引なのか説明できる人は少ないかもしれません。
この記事では、スイングトレードの基本的な仕組みや特徴、メリット・デメリットをわかりやすく解説します。
ただし、結論から言えば――
長期的に資産形成を目指す人にとって、スイングトレードはあくまで「知っておく程度でいい手法」です。
スイングトレードとは?
スイングトレード(Swing Trade)とは、
数日から数週間の値動きを狙って売買する短期取引のことです。
英語の “swing” には「揺れ動く」という意味があり、
相場の“波”を読んで利益を得ることを目的としています。
1日のうちに取引を完結させるデイトレードよりもゆとりがあり、
企業の業績やチャートの流れを見ながら数日単位で判断するのが特徴です。
デイトレード・長期投資との違い
| スタイル | 保有期間 | 主な狙い | 必要な時間 |
|---|---|---|---|
| デイトレード | 数分〜数時間 | 1日の値動き | 常にチャートを監視 |
| スイングトレード | 数日〜数週間 | 短期のトレンド | 毎日少しの確認 |
| 長期投資 | 数年〜数十年 | 企業の成長・配当 | 放置してOK |
スイングトレードは、デイトレードほど忙しくなく、
長期投資よりもアクティブに動ける“中間的なスタイル”です。
ただし、あくまで短期の値動きを読む必要があるため、投機的な要素が強いのが特徴です。
スイングトレードの魅力
スイングトレードには、いくつかの魅力もあります。
- 1日中チャートを見なくてもよい
→ 仕事をしながらでも取引しやすい。 - 中期トレンドに乗れれば大きな利益も狙える
→ 短期間で株価が動くテーマ株などに対応しやすい。 - 決算・ニュースなどのイベントを意識できる
→ 中期的な視点で分析ができる。
そのため、一部の経験豊富な投資家が資金の一部で実践しているケースもあります。
スイングトレードのリスクと難しさ
一方で、スイングトレードには明確なリスクもあります。
- 数日単位でも予測は非常に難しい
→ 短期のニュースや世界情勢で急変しやすい。 - 夜間・週末に相場が動くリスク
→ 持ち越し中に悪材料が出ると大きく下がる。 - テクニカル分析の知識が不可欠
→ チャート・移動平均線・出来高などの理解が必要。
また、頻繁な売買によって手数料と税金の負担が大きくなり、
長期投資に比べてリターンが安定しにくい点も注意が必要です。
初心者が誤解しやすいポイント
- 「デイトレより楽」ではない
→ 監視時間は短くても、判断力と分析力は同等以上に求められる。 - 勝てるトレンドは限られている
→ 市場が横ばいのときはチャンスがほとんどない。 - 感情に流されやすい
→ 「もっと上がるはず」と思って売り時を逃すケースが多い。
スイングトレードは、一見手軽そうに見えて、実はプロ向けの取引手法です。
筆者は投資を始めた時期に、
インデックス投資と並行してスイングトレードにも挑戦しました。
結果は大惨敗。企業分析の重要さを痛感しました。

長期投資を前提とする人には向かない理由
長期投資は「時間を味方につける」投資。
スイングトレードは「時間と勝負する」投資です。
長期投資では、企業の成長・配当・複利効果が味方になりますが、
スイングトレードはそのすべてを手放して、短期の値動きに賭ける形になります。
特に、長期の資産形成を目指す人にとっては、
毎回の売買判断がストレスになりやすく、リターンの再現性も低いため、
メインの投資手法にするのはおすすめできません。
メインはインデックス投資でしっかりと土台を作り、
その後に少額から挑戦してみる方が良いでしょう.
まとめ
スイングトレードとは、数日から数週間の株価の波を捉えて売買する短期取引です。
デイトレードより落ち着いて取り組める一方で、
依然として投機的な要素が強く、予測の難しさやリスクも大きい手法です。
株式投資の世界では、「時間を味方につける」ことが最も強力な戦略です。
長期的に資産を増やすという目的においては、
スイングトレードは“知識として知っておく”程度で十分といえるでしょう。
短期の波を追いかけるよりも、企業の成長とともに資産を育てていく――
それこそが、堅実な投資家にとっての最良の道です。


