今さら人に聞けない投資用語!『追証』ってなに?

はじめに|「追証」って、なに?どう読むの?
投資の世界で時々見かける「追証」という言葉。
ネットやSNSでは、
「追証きた…現金足りない」
「急落で追証発生、強制ロスカットされた…」
こんな投稿を見ることがありますが、そもそもこの「追証(おいしょう)」って何?と疑問に思う人も多いはず。
「おいしょう」と読みますが、正式には「追加証拠金(ついかしょうこきん)」の略称で、信用取引や先物取引をする人にだけ発生するリスクです。
今回は、この追証の意味・仕組み・怖さ・回避方法について、初心者にもわかりやすく解説していきます。
追証(おいしょう)とは?|信用取引特有の“追加請求”
追証とは、「信用取引をしている人に対し、預けていた担保(証拠金)が値下がりなどで足りなくなったときに、証券会社から『追加でお金を入れてください』と請求されるもの」です。
これは現物株にはない仕組みで、“お金を借りて取引する=信用取引”をしたときだけ発生するものです。
なぜ追証が発生するの?
たとえば、信用取引で100万円分の株を買った場合、自分が用意するお金(証拠金)は30万円程度です。
残りの70万円は、証券会社が“貸してくれる”形になります。
しかし、株価が下がって大きな含み損を抱えると…
- 証券会社:
「あなたが預けた30万円の担保だけでは、損失をカバーできません」
→ 「追加で入金してください(=追証)」
こうして、追証が発生します。
追証の怖さとは?|強制決済と現金不足のダブルパンチ
✔ 急な入金が必要になる
追証が発生したら、数万円~数十万円をすぐに入金しなければならないケースもあります。
「損しているのに、さらにお金を差し出さなきゃいけない」状態になるのが最大のストレスです。
✔ 期限内に対応できなければ“強制売却”
追証に対応できないと、証券会社が保有株を強制的に売却(ロスカット)します。
しかも、暴落中に売られるため、最安値付近で損失確定する可能性が高いのです。

✔ 損失が証拠金を超えると、借金リスクも
信用取引では、元本以上に損をすることがあります。
証拠金を使い果たしても株価が止まらない場合、追証では足りず、マイナス残高(=借金)になることすらあります。

実例|コロナショックや地政学リスクで追証が発生したケース
2020年のコロナショックでは、1日で日経平均が1,000円以上下がる日が続出。
その結果、信用取引をしていた投資家の多くが追証を抱え、資金ショートや退場に追い込まれました。
- 数百万円が数日で半分に
- 追証に応じられず強制売却 → 底値で損切り
- 精神的ショックで投資から撤退
追証は、まさに“損失のブースター”になってしまうのです。
信用取引と追証の関係|現物投資では発生しない
ここでポイントなのが、追証は信用取引や先物取引など“レバレッジ型の取引”に限って発生するという点です。
NISAやiDeCo、現物株の積立投資では、どれだけ株価が下がっても「追証」はありません。
損失は自分が出したお金の範囲内に収まるため、初心者はまず現物からスタートするのが安心です。
追証を避ける3つのポイント
✅ 1. 信用取引を避ける
→ 最も確実な方法。現物取引なら追証リスクゼロ。
✅ 2. 証拠金維持率に余裕をもつ
→ ギリギリの取引は避ける。余力50%以上をキープ。
✅ 3. 相場が不安定な時期はポジションを減らす
→ 地政学リスク・急落時など、自分の防御力を最優先に。
追証=失敗ではない。でも学びにはなる
追証を経験したからといって、投資家としてダメなわけではありません。
むしろ多くの中・上級者も、一度はこのリスクに直面しています。
しかし、“余力のない投資は命取りになる”という教訓は、追証を通じて痛感できます。
- 欲張りすぎない
- 急落時の動き方を決めておく
- 常に冷静にポジション管理する
これらを徹底できる人が、結果的に投資で生き残っていけるのです。
おわりに|“退場”しない投資をしよう
「追証(おいしょう)」という言葉は、一見すると難しく、怖く聞こえるかもしれません。
でもその正体は、「無理な投資をしていないか?」というシグナルでもあります。
初心者のうちは、現物株投資やインデックス投資、NISA・iDeCoの活用がベスト。
“退場しないこと”が、何よりも大切な投資の鉄則です。
お金を守ることは、将来のチャンスを守ること。
あなたが、追証とは無縁の「堅実な投資家」として歩んでいけるよう、この記事がその一助になれば嬉しいです。