金利上昇時代に強いのは高配当株?インカム投資の魅力を徹底解説

はじめに|金利上昇と高配当株の関係が注目されている
「アメリカの金利がまた上がったらしい」
「日本でもようやくマイナス金利が解除された」
そんなニュースを目にして、「金利が上がると株は下がるって聞くけど…」と不安に感じた方もいるのではないでしょうか?
実はこの「金利」と「株価」、とくに高配当株の間には深い関係があります。
そして今、金利が上がる局面だからこそ、高配当株投資の価値が再評価されているのです。
この記事では、初心者の方にもわかりやすく、
- なぜ金利が上がると株価に影響するのか?
- 高配当株は金利上昇局面に強い?弱い?
- インフレ時代の資産形成におけるインカム投資の重要性
を丁寧に解説します。
金利が上がると、なぜ株価に影響するの?
まず、「金利が上がる」とは、国債や預金など安全資産の利回りが高くなることを意味します。
たとえば、これまで年0.1%しかつかなかった定期預金が、2%の利息をもらえるようになったら…
わざわざリスクのある株に投資しなくてもよくなる、という人が出てくるのは当然です。
その結果:
- 株式市場から資金が流出しやすくなる
- 株価が割高に見えやすくなる(割引率の上昇)
- とくに成長株(グロース株)の株価は下がりやすい
というように、金利上昇は株式市場全体にとっては“向かい風”になりがちです。

高配当株は金利上昇局面で「強い」のか?
このように見ると、「高配当株も金利が上がったら下がるんじゃないの?」と思いますよね。
でも、実は少し事情が異なります。
高配当株は金利上昇時に弱い側面もありますが、ある条件下ではむしろ注目される存在になります。
弱い理由:比較対象として魅力が薄れることも
- 定期預金や債券の利回りが上がると、配当利回りの相対的な魅力が薄れる
- 債券にお金が流れて、高配当株も売られることがある
特にインフラ・公益株などの超安定銘柄は、債券的な性格を持っているため、売られやすい傾向にあります。
強い理由:インフレに対応できる“実物資産”としての性質
一方で、高配当株には以下のような金利上昇・インフレ下で強さを発揮する面もあります。
- 利益が伸びれば、配当も増える(増配でインフレに追いつける)
- 実物資産を持つ企業(不動産、資源、インフラ系)はインフレに強い
- 成長株に逆風が吹く時、高配当株に資金が流れやすくなる
つまり、「ただの金利上昇」ではなく、「インフレによる金利上昇」の局面では、むしろ高配当株の方が評価される可能性が高いのです。
実際に起きている変化:高配当ETFやファンドが資金流入中
最近では、S&P500高配当株(SCHD)やVYMなどの米国ETF、
SBI日本高配当株式ファンドなどの国内アクティブ型高配当ファンドにも資金流入が続いています。
これはまさに、以下のような投資家心理の現れです:
- 「将来の成長より、今のインカム(収入)を重視したい」
- 「インフレで生活費が上がっても、配当で補いたい」
- 「不確実な世界情勢の中で、企業収益の一部を手元に得ておきたい」
インフレ時代の資産形成において“インカム投資”は有効
金利が上がるということは、インフレの可能性が高まっているということでもあります。
その中で、「物価上昇についていける資産」を持っておくことは非常に大切です。
高配当株はその意味で、以下のような魅力があります:
- 企業の利益=物価上昇の恩恵を受ける構造がある
- 増配する企業を選べば、“配当も上がっていく”
- 再投資や生活費補填に使いやすく、現金化が容易
特に日本では、長らく「物価も金利も動かない時代」が続いていたため、インカム投資の価値を軽視されがちでした。
でも今後の時代は、むしろ「配当という現金収入を得ながら、資産を守る」という視点が、より重要になっていくと考えられます。
おわりに|“配当がある安心感”を改めて見直そう
金利上昇は、株式市場にとってはマイナス材料と言われがちです。
でもそんな中でも、配当という“実収入”がある株を持っていると、気持ちも安定しやすいのは間違いありません。
- 成長株が調整局面に入ったときでも
- 金利が上がって債券と迷ったときでも
- インフレで将来が不安なときでも
「毎年●万円の配当がある」という事実は、心強い味方になります。
もちろん、どんな時代でも万能というわけではありません。
だからこそ、「金利上昇」「インフレ」「高配当株」この3つの関係を理解しながら、あなたにとっての“ちょうどいい投資戦略”を考えていきましょう!