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保険と預金は本当にお得? 広告・営業トークのカラクリを徹底解説

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はじめに:なぜ保険や預金は “お得” に見えるのか?

「保険に入っておけば家族も安心です」「金利は低いけど、定期預金なら元本保証で損しません」──。こんな営業トークや広告コピーを目にしたり聞いたりしたことはありませんか? 日本では、こうした“安定・安心”を前面に打ち出す商品が根強く売れ続けています。
実際、生命保険文化センターの調査(2021年度)によれば、日本人の約90%が何らかの形で生命保険に加入しているといわれています。また、日本銀行の「資金循環統計」によると、個人金融資産の半分以上(約50〜55%)は預貯金で保有されているのが現状です。

これだけ多くの人が利用している商品なのに、本当に“お得”なのかどうか、冷静に判断したことはあるでしょうか。本記事では、保険会社や銀行が巧みに使う広告・営業のカラクリを具体的なトーク例やデータを交えて解説します


カラクリその1:宣伝文句に潜む「心理トリガー」

「安心」「確実」「一生涯」の強力なフック

  • 典型的な広告コピーの例
    • 「家族の笑顔を守り続ける保険。あなたの一生涯をサポートします」
    • 「大切な人に残せる安心を──死亡保障付終身保険」
  • 「一生涯」「家族を守る」「保障」といった言葉は、日本人の“家族第一”文化や“失敗を恐れる”心理に強く訴求します。「損はしない」「元本保証」といったフレーズは、たとえ実質利回りが低くても、損失回避の欲求を満たしてくれます。

具体的な営業トーク事例

  • 営業Aさん: 「終身保険に入っておけば、もしものときに家族が路頭に迷うこともありません。保険料も一定で、払い込んだ保険料より将来的に多く受け取れる可能性だってあるんですよ」
    • 実際は、保険会社の運用実績や途中解約時の返戻率など、詳細を確認しないまま「増えるかもしれない」という印象だけが強調されます
  • 営業Bさん: 「低金利の時代に定期預金だけじゃお金は増えません。でもこの保険なら運用もしながら死亡保障もついて、一石二鳥なんですよ」
    • 死亡保障と運用がセットになった商品が多く、“保険=投資”のように錯覚しやすいですが、手数料や諸経費、返戻率などの影響を考慮すると、投資効率が低いケースが少なくありません

カラクリその2:比較されないからこそ “損” が見えにくい

日本特有の「比較広告の少なさ」

日本は、他社の商品やサービスを直接的に比較する広告が少ない傾向があります。金融商品の場合、保険会社Aと保険会社Bの同じ保障額・同じ条件を並べて比較する広告はほとんど見かけません。そのため、消費者が自ら調べて比較しない限り、いろいろな商品を横並びで検討する機会が少なくなります。

保険・預金の「本当のコスト」例

  • 保険商品: 保険料には、保障にかかる純保険料だけでなく、保険会社の運営コストや営業費用も含まれています。途中解約すると返戻率が大幅に下がるため、実質的な損失になる場合も。
  • 定期預金: 金利が極端に低い場合、インフレ率を考慮すると実質価値が目減りすることがあります。たとえば、金利0.002%の定期預金で1年預けても、税金を考えればほぼ増えません。インフレ率が1%でもあれば、実質的にはお金の価値は下がっている計算になります。

カラクリその3:なぜ “リスクを取らない” が称賛される?

日本人の「失敗回避」マインド

「投資は怖い」「株で損をしたら元も子もない」というイメージは、日本人特有の失敗回避マインドを映し出しています。生命保険文化センターの別の調査によると、投資未経験者の約6割以上が“リスクが不安”を理由に投資を敬遠しているとのデータもあります。広告や営業はこうした心理を踏まえ、「投資リスクを負わないで家族を守れる」という方向で商品をアピールしがちです。

“機会損失”に気づきにくい

  • 複利効果長期運用によるリターンといったメリットは、広告であまり強調されません。
  • 銀行にただ預けることで安心できる一方、インフレや長期運用による成長を逃すリスク(機会損失)が見えにくくなります。
  • たとえば、年率3〜5%の投資で20〜30年運用した場合と、定期預金だけで同期間過ごした場合では、最終的な資産額に大きな差が生まれる可能性があります
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保険・預金の広告・営業現場でよくある手法

  1. 無料相談・無料セミナーでの誘導
    • 「参加者限定で○○円分のギフトカード進呈」「女性限定マネー講座」など、魅力的なキャッチコピーで集客。
    • セミナー内では、自社の商品を自然な流れで推奨し、他社商品との比較はあまり行わない
  2. 「期間限定」「特別金利」といったキャンペーン
    • 「今だけ金利○%アップ」「3カ月間だけ高金利適用」とうたう広告で目を引く。
    • 実際にはキャンペーン期間終了後は極めて低い金利に戻るか、複雑な条件を満たさないと優遇が適用されないケースがある
  3. 親身なストーリーで心をつかむ営業トーク
    • 営業Cさん: 「私も小さな子どもがいるので分かるんです。お子さんの将来を考えると、やっぱり終身保険は欠かせないですよね。どのくらいの保障をお考えですか?」
    • あたかも“自分も同じ立場”と共感を示しながら話を進めるため、疑問を抱かせにくくする手法

カラクリを見抜くために必要な視点

  1. デメリットやリスクをチェックする
    • 「元本保証」だけに注目せず、手数料中途解約時のペナルティインフレリスクなどの情報をしっかり確認する。
    • 具体的には「毎月払う保険料はいくらになる?」「10年後に解約したらいくら返ってくる?」といった数字を必ず見る
  2. 他の投資・貯蓄手段と比較する
    • NISAやiDeCo、投資信託など、幅広い選択肢を横並びで検討することで、コスト将来のリターン比較しやすくなる
    • 利回りシミュレーションなどを使うと、具体的な差が実感しやすい。
  3. ライフプランを明確にする
    • 結婚、子育て、マイホーム購入、老後資金など、何にいくら必要か大まかに把握すると、保険や定期預金だけでどこまでカバーできるか、見えてくる。
    • 専門家(ファイナンシャルプランナーなど)の意見を聞く場合でも、複数のFPに相談したり、商品を紹介しない“独立系”のFPを選ぶなど、客観性を担保する工夫が大切

それでも保険と預金が必要なケースとは?

「保険や預金は全く必要ない」というわけではありません。

  • 家族の収入源が自分しかいない場合は、やはり死亡保障がある保険の重要度は高い。
  • 近い将来に使う予定のあるお金(教育資金・生活防衛資金など)は、値下がりリスクのある投資よりは預金や短期国債などで確保するのが合理的。
  • ただし、過剰な掛け捨て保険や過度の定期預金に偏ると、老後資金の形成が難しくなるなどの弊害も。

まとめ:宣伝・営業のカラクリに振り回されずに賢く選ぶには

  1. 広告や営業の言葉を鵜呑みにしない
    • 「安心」「確実」といったフレーズだけではなく、本当のコストやリスク要因を探る習慣をつけましょう。
  2. 複数の商品を比較・検討する
    • 生命保険なら複数社の見積もりを取り、投資なら複数の運用方法を比較して検討すると、カラクリが見えやすくなります。
  3. あなた自身の将来設計に合うかを常に考える
    • 営業担当者の巧みなトークではなく、自分や家族のライフイベント表と照らし合わせて、本当に必要な保障や貯蓄が何なのかを見極めましょう。

日本人の半数以上が貯蓄を預金で、9割近くの人が保険に加入している──。こうした数字を見ると「みんなやっているから安心」と思いがちですが、広告・営業のカラクリを知れば、ただ流されて契約する危うさも見えてきます。ぜひ今回ご紹介した視点を頭の片隅に置きながら、自分にとって本当に必要で“お得”な方法を探ってみてください。

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2017年にドルコスト平均法を知り、投資に興味を持つ。2018年の旧つみたてNISA開始と同時に資産運用を開始。老後資金2000万円を目指しコツコツと積立投資中。
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