経済格差に取り残されないために！「r > g」と少額投資の実践法

はじめに

近年、「経済格差」が広がり続けているという声を耳にする機会が増えています。その背景にあるのが、フランスの経済学者トマ・ピケティが提唱した「r > g」の法則です。この法則が示すように、資本収益率（r）が経済成長率（g）を上回る限り、資本を持つ者と持たない者の間で格差が広がり続けます。この記事では、「r > g」の意味を解説するとともに、投資が経済格差に取り残されないための重要な手段である理由を、具体的な数字や事例を交えて説明します。

「r > g」とは？

「r > g」という式は、資本主義経済における資本収益率（r）が経済成長率（g）を上回る状況を表しています。

• 資本収益率（r）： 資産から得られる利益（例：株式配当、不動産収益）を指します。ピケティ氏の研究によると、歴史的には年5%程度で推移しています。
• 経済成長率（g）： 国全体の経済がどれだけ成長したかを表します。多くの場合、先進国では年2%程度とされています。

この法則が示すのは、経済成長率以上の収益を生む「資本」を持つ人々が、より多くの利益を得て富を蓄積できる一方で、資本を持たない人々はその恩恵を受けにくいということです。

資本収益率が労働収益率を上回る理由

1. 労働収益の限界
   働いて得る収益（給与など）は、時間や体力といった制約を受けます。一方で、資本収益はこうした制約を受けず、自動的に利益を生み続ける特性があります。
2. 働かない所得の価値と需要の高さ
   働かずに得られる収益（資本収益）は、時間を費やさずに収益を得られるため、非常に価値が高く、誰もが欲しがります。この需要の高さが、資本の価値をさらに押し上げる原因となり、資本収益率が労働収益率を上回る状況を生み出します。

実際の数字で見る「r > g」の影響

条件

• 平均手取り：月20万円
• 働く期間：40年間
• 運用利回り：年利5%

1. 手取りの5%（月1万円）を運用

• 運用後のトータル資産：約1億642万円
• 40年間に消費した分を差し引いた最終的な資産：約1,526万円

2. 手取りの10%（月2万円）を運用

• 運用後のトータル資産：約1億1,684万円
• 40年間に消費した分を差し引いた最終的な資産：約2,484万円

3. 手取りの15%（月3万円）を運用

• 運用後の資産：約1億2,726万円
• 40年間に消費した分を差し引いた最終的な資産：約3,442万円

考察

収入の一部であっても、資産運用を取り入れることで、働いて得た収入以上の成果を生むことが可能です。また、運用額を増やすごとに、最終的な資産の差が大きくなることが見て取れます。

誰もが少額から資本家側になれる恵まれた時代

「r > g」の法則が示すように、資本収益率が労働収益率を上回る現実では、資本を活用することが経済格差に取り残されないための重要な手段です。しかし、現代は過去に比べて、誰でも少額から資本家側に回ることができる恵まれた時代です。

1. 少額から始められる環境

つみたてNISAやiDeCoなどの制度を活用すれば、数百円、数千円から投資を始めることができます。

2. テクノロジーの進化

スマートフォンやロボアドバイザーを活用すれば、初心者でも簡単に資産運用が始められる環境が整っています。

3. 時間を味方につける

月1万円を年利5%で運用した場合でも、40年後には1,500万円以上の資産を形成できます。少額でも早く始めることで大きな成果を得られます。

4. 分散投資でリスクを軽減

株式、債券、投資信託などに分散することでリスクを抑え、安定した資産形成を目指すことができます。

5. 小さな一歩が未来を変える

少額からでも始めることで、格差に取り残されることなく、豊かな未来を築くことが可能です。

日本における資産運用の変遷は下記の記事を参考にしてください。

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なぜ日本では終身保険や定期預金が根強く信仰されるのか？時代別に見る資産運用の変化

おわりに

「r > g」の法則は、資本を活用する重要性を明確に示しています。この現実を受け入れ、資産運用を始めることで、誰でも格差に取り残されない未来を築くことができます。少額でも始められる現代の環境を最大限に活用し、未来への一歩を踏み出しましょう！

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当ブログ管理人

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2017年にドルコスト平均法を知り、投資に興味を持つ。2018年の旧つみたてNISA開始と同時に資産運用を開始。老後資金2000万円を目指しコツコツと積立投資中。