下落が怖い人の味方?バッファーETFの仕組みと注意点

はじめに:暴落が怖い…でも投資はしたい人へ
「投資を始めたいけど、暴落したらどうしよう」
そんな不安を抱える方にぴったりの、“守りながら攻める”ETFをご存じですか?
それが、米国で人気上昇中のバッファーETF(Buffered ETF)。
2024年からは日本のSBI証券でも購入可能となり、国内投資家にも手が届くようになりました。
この記事では、バッファーETFの基本から、具体的な銘柄、注意点、購入方法までわかりやすく解説します。
バッファーETFとは?価格下落をカバーしてくれるETF
バッファーETFは、一定の下落幅を“緩衝”しながら、上昇も一部まで取りにいくという構造のETFです。
たとえば「−10%までは守り、+15%までは取れる」というように、損を抑えつつ利益も狙えることが特徴です。
■ イメージ図(例)
市場の動き | バッファーETFの動き(例) |
---|---|
+20% | +15%(キャップ=上限) |
+10% | +10% |
±0% | ±0% |
−5% | ±0%(バッファ内) |
−10% | ±0% |
−15% | −5%(バッファ超過分のみ下落) |
「下がるのが怖い。でも何もしないのももったいない」
そんな悩みに応える、“クッション付きETF”です。
開始月の仕組みを理解しよう:タイミングが重要
バッファーETFには「開始月」という考え方があります。
これは、そのETFの“バッファ機能”と“上昇上限(キャップ)”が1年間有効となる期間の始まりを指します。
例:FAUG(First Trust 8月スタート)
- 設定期間:毎年8月〜翌年7月末
- この期間中は「−10%のバッファ」「+15%のキャップ」が有効
- 翌年8月に再設定され、条件が更新される
SBI証券で買える主な開始月別ETF(First Trust社)
ティッカー | 開始月 | 内容 |
---|---|---|
FFEB | 2月 | S&P500に連動、−10%バッファ、1年間のキャップ設定 |
FMAY | 5月 | 同上 |
FAUG | 8月 | 同上 |
FNOV | 11月 | 同上 |
外貨建てって大丈夫?知っておくべき3つのポイント
バッファーETFは米国ETFですので、すべて米ドル建て(外貨建て)になります。
① 為替変動リスク
- ETFが上昇しても、円高になれば円ベースの利益は減少
- 逆に円安で円換算利益が増えることも
② 為替手数料
- SBI証券+住信SBIネット銀行を使えば1ドルあたり片道4銭の格安でドル転できます
③ 配当金も米ドルで支払われる
- 外貨のまま再投資もOK、日本円に換金も可能です
銘柄紹介①:First Trustシリーズ(S&P500連動)
First Trust社のバッファーETFは、S&P500指数に連動しつつ、月別に分かれたラインナップが特徴です。以下はSBI証券で購入可能な代表銘柄です。
ティッカー | 開始月 | バッファ | 上限(キャップ) | 備考 |
---|---|---|---|---|
FFEB | 2月 | −10% | 月によって変動 | 購入タイミングで条件確認必須 |
FMAY | 5月 | −10% | 同上 | |
FAUG | 8月 | −10% | 同上 | |
FNOV | 11月 | −10% | 同上 |
※バッファ幅とキャップは毎年・毎月の相場状況に応じて変動します。購入時にはSBI証券の画面で「キャップの上限」や「基準価格」などを確認するようにしましょう。
銘柄紹介②:ラダー型ETF(BUFR/BUFD)
複数の開始月を“階段状(ラダー)”に組み込んだタイプもあります。
ティッカー | 内容 |
---|---|
BUFR | 毎月異なる12銘柄の組み合わせでバッファとキャップを分散 |
BUFD | より深いバッファ(−30%)で守備力を強化 |
「タイミングがわからない」「1年待たずに売却する可能性がある」という人には、ラダー型ETFが適しています。
メリットとデメリットを整理しよう
✅ メリット
- 一定の下落(例:−10%)まで資産を守れる安心感
- 市場上昇時には一定の利益も確保できる
- SBI証券で直接買える(海外口座不要)
⚠ デメリット
- 上昇にもキャップ(上限)がある
- タイミング次第ではキャップが近く、上昇余地が小さい場合も
- 為替変動によるリスクがある(円高で利益減少)
- 複雑な仕組みなので内容の理解が必要
おわりに:攻めすぎず、守りすぎない“ちょうどいい”投資
バッファーETFは、「守りたいけど、まったく増えないのも困る」というミドルリスク・ミドルリターンを目指す投資家にぴったりの選択肢です。
- 株価暴落が不安で投資に踏み切れない
- 資産を守りながらインフレに対応したい
- 高齢の両親のためにリスクを抑えた運用を考えたい
そんな方は、ぜひ一度バッファーETFを検討してみてはいかがでしょうか?
購入にはSBI証券の口座が必要です
バッファーETFはSBI証券の米国ETF取扱銘柄として購入できます。
住信SBIネット銀行やSBI新生銀行と連携すれば、為替コストも抑えられ、配当金管理もスムーズです。
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