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はじめに|同じ“高配当”でも国・地域で違う
2024年からの新NISA制度の開始により、高配当株投資への注目が高まり続けています。
中でも、SBIアセットマネジメントが提供する「高配当ファンドシリーズ」は、日本・米国・欧州・全世界を網羅しており、地域別の高配当株市場を比較するのに最適なラインナップです。
この記事では、以下の4つのファンドの2025年3月月次レポートをもとに、日本・米国・欧州の高配当市場を比較・整理します。
- SBI日本高配当株式ファンド(年4回決算型)
- SBI・S・米国高配当株式ファンド(年4回決算型)【SCHD連動】
- SBI欧州高配当株式ファンド(年4回決算型)
- SBI全世界高配当株式ファンド(年4回決算型)
日本の高配当株市場|個別企業の“強弱差”が際立つ構造
🔍 月次レポートポイント(2025年3月)
- 基準価額: 小幅下落(TOPIX高配当40も軟調)
- 分配金: あり(第2期で1口20円)
- 主な売買動向:
・川崎汽船 → 売却(配当高でも需給不透明)
・小野薬品 → 購入(株価下落で利回り上昇)
💡 特徴と所感
- 需給や業績により柔軟に銘柄入れ替えを実施
- 高配当の維持だけでなく、“減配リスクを避ける守り”が重視されている
- 海運、薬品、インフラなど多様な業種構成
米国の高配当株市場|セクターバランスを保ちつつ“安定配当”
🔍 月次レポートポイント(2025年3月)
- 基準価額: 9,721円(▲1.42%)
- 分配金: 0円(第1回決算)
- セクター構成変化:
・エネルギー(+9pt)・生活必需品(+4pt)増加
・金融(▲9pt)大幅減少
💡 特徴と所感
- SCHD指数に基づくインデックス型運用(年4回リバランス)
- 財務健全性・配当持続性を重視したシステマチック構成
- 景気変動を織り込みつつ、長期視点で安心して持てる設計
欧州の高配当株市場|業種バランスと分散性の高さが魅力
🔍 月次レポートポイント(2025年3月)
- 基準価額: わずかに下落
- 分配金: あり(3月決算で20円)
- 主な構成業種:
エネルギー、金融、素材、ヘルスケアなど
💡 特徴と所感
- ノボノルディスクなど個別銘柄の株価軟調あり
- 一方で石油大手(トタルエナジーズ等)が下支え
- “GRANOLAS銘柄”など成長+高配当の欧州優良株が中心
- 為替・政策リスクには注意が必要
全世界高配当ファンドの役割|3地域をバランスよくミックス
🔍 月次レポートポイント(2025年3月)
- 基準価額: 小幅上昇(+19円)
- 構成国: 米国56.1%、日本9.6%、ドイツなど欧州も多数
- 主な貢献銘柄:
アンテロ・ミッドストリーム、AT&Tなど(米国)
ノボノルディスク(欧州)はやや軟調
💡 特徴と所感
- 主要3地域(米・日・欧)をバランスよく取り込んだ構成
- 世界経済の先行き不透明感に対して、地政学リスクを分散
- 投資初心者でも「分散投資の基盤」として活用しやすい設計
各地域の高配当株市場を比較する【まとめ表】
観点 | 日本 | 米国(SCHD) | 欧州 | 全世界 |
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運用方式 | アクティブ | インデックス(SCHD) | アクティブ | アクティブ |
銘柄入替基準 | 配当+業績・需給 | 定量スコア+利回り | 配当+欧州企業分析 | 各地域のバランス重視 |
セクター特徴 | インフラ、薬品、海運など | エネルギー・日用品・医薬 | 金融・素材・医薬品 | 米>欧>日のバランス型 |
通貨リスク | 為替なし(円建て) | 為替あり(ドル連動) | 為替あり(ユーロなど) | 世界分散(全通貨に影響) |
分配金実績 | あり | 今回なし(次回に期待) | あり | あり |
おわりに|3地域を比較して見えてくる「選び方の軸」
それぞれの高配当市場には異なる特徴があります。
投資家としては、以下のような視点を持つことで、より納得感のあるファンド選びが可能になります。
- 安定感・ルール重視 → 米国(SCHD)
- 個別企業の変化も重視 → 日本
- 世界に分散しながら安定性重視 → 全世界
- ヨーロッパ企業の成長+高配当に期待 → 欧州
今後も、各地域の景気・政策動向に注目しながら、“分配金に頼りすぎず、持続可能なインカム収入”を構築するファンド選びを続けていきましょう。
ABOUT ME
2017年にドルコスト平均法を知り、投資に興味を持つ。2018年の旧つみたてNISA開始と同時に資産運用を開始。老後資金2000万円を目指しコツコツと積立投資中。