S&P500?オルカン?それともTOPIX?初心者が知っておきたい3つのインデックス投資

はじめに
最近、SNSやYouTube、雑誌でも「インデックス投資」という言葉をよく目にします。
そして、どこを見てもおすすめされているのがこの2つ――
S&P500とオルカン(全世界株式)。
たしかにこの2つは人気も実績も抜群です。
でも、これから投資を始める人にこそ、筆者はもう一つの選択肢――
TOPIX(日本株)を知ってほしいと思っています。
この記事では、人気の2つをわかりやすく比較しつつ、なぜ筆者がTOPIXもおすすめしたいのか、その理由をやさしく解説します。
1. まずは定番の2つをおさらい!
S&P500 ― 世界を引っ張るアメリカの成長力
S&P500とは、アメリカを代表する企業500社(アップル、マイクロソフト、アマゾンなど)で構成された株価指数です。
アメリカ経済はこの30年で右肩上がり。
GAFAをはじめ、世界のリーダー企業が集まっており、
「投資するなら結局アメリカが一番」と言われるのも納得です。
メリット
- 世界最強の経済に集中投資できる
- 過去の実績が圧倒的に強い
- 投資信託の数が多く、選びやすい
デメリット
- 米国一極集中のため、アメリカが停滞すると影響大
- 為替リスク(円高時は基準価額が下がる)
「高リターンを狙いたい」「世界の中心アメリカに賭けたい」
→ 攻めの投資スタイルの人にピッタリ。
オルカン(全世界株式) ― 世界の平均点を取る投資
オルカン(オール・カントリー)とは、世界中の株式にまるごと分散して投資するファンドです。
アメリカ、日本、ヨーロッパ、新興国まで約50か国・3000銘柄に分かれています。
ざっくり言えば、「世界全体の平均点を取る投資」。
どこかの国が悪くても、他の国がカバーしてくれます。
メリット
- 世界経済全体の成長を取り込める
- 国・通貨・地域を分散できる
- ほったらかし運用に最適
デメリット
- 成長スピードはS&P500より緩やか
- 結局アメリカの影響が大きい(比率が6割以上)
「どの国が伸びるか分からない」「リスクを抑えて長く続けたい」
→ 安心感を重視する人に向いた“守りの投資”。
2. 筆者があえて紹介したい、3つ目の選択肢「TOPIX」
S&P500とオルカンがあまりにも注目されている今だからこそ、
筆者はTOPIX(トピックス)を3つ目の候補としておすすめします。
TOPIXとは、日本の上場企業全体の平均値を表す株価指数です。
つまり、私たちが日々目にする企業――トヨタ、ソニー、任天堂、ファーストリテイリング――
そうした日本企業の成長をまとめて応援できる投資です。
メリット
- 為替リスクがない(円で完結する)
- 日本企業の復活・物価上昇の恩恵を受けやすい
- つみたてNISAやiDeCo対応商品も豊富
- 配当利回りが比較的高い(平均2〜3%前後)
デメリット
- 長期リターンは海外株に劣る
- 日本経済の成長が鈍化している
確かに、過去の実績だけを見るとS&P500やオルカンより見劣りします。
でも、それだけで判断するのはもったいない。
なぜならTOPIXには、
「円建てで安定した運用ができる」という他にはない強みがあるからです。
S&P500は100%、オルカンは90%以上が外国株の運用です。つまり為替の影響はどうやっても避けられません。S&P500が過去最高を更新!という状態でも、為替が円高に流れれば評価額は減少してしまいます。
3. 3つを「性格」で分けて考えてみよう
タイプ | 向いているインデックス | 投資のイメージ |
---|---|---|
チャレンジ型(攻め) | S&P500 | 世界のトップ企業に集中投資。成長力No.1。 |
安定型(バランス) | オルカン | 世界中に分散。波が小さく安心して続けやすい。 |
安心・堅実型(守り) | TOPIX | 為替リスクなし。日本企業を応援しながら育てる。 |
4. なぜ今、TOPIXも注目すべきなのか
ここ数年、TOPIXには少しずつ明るい変化が見られます。
- 日本企業の株主還元(配当・自社株買い)が強化されている
- 東京証券取引所が「資本効率改善」を進めている
- 為替の円安が企業業績を押し上げている
つまり、かつての“停滞する日本株”という印象は、少しずつ変わりつつあるのです。
もちろん、TOPIXはS&P500のような爆発的な成長は期待しにくいかもしれません。
ですが、安定した配当+円建て運用+日本の底力という3つの要素を持つ、
“地味だけど堅実な選択肢”と言えるのです。
5. どれを選んでも正解。大切なのは「続けられること」
投資を始めたばかりの人ほど、
「どれが一番もうかるか」で考えてしまいがちです。
でも、インデックス投資の本質はそこではありません。
一度選んだら、何十年もコツコツ続けられるかどうか。
- 値動きにドキドキしても、続けられるのはどれか
- 為替の影響をどこまで許容できるか
- 日本円で持ちたいのか、外貨で増やしたいのか
この3つを考えて、自分に合うインデックスを選べばOKです。
おわりに
S&P500とオルカンが「2大人気」なのは間違いありません。
でも、投資は流行ではなく自分の人生に合う選択をするもの。
日本企業を応援しながら、円建てでコツコツ育てていく――
そんな穏やかな投資スタイルを選びたい人には、
TOPIXという第三の選択肢がしっくりくるはずです。
まずは小さく始めて、どんな値動きにも慣れながら、
「自分が続けられる投資」を見つけていきましょう。