インデックス投資は“つまらない”?それでも続けるべき3つの理由

はじめに
「インデックス投資って、正直つまらない…」
「もっと刺激のある投資をした方がよくない?」
そんなふうに感じてしまうのは、あなたが冷静に投資と向き合えている証拠かもしれません。
SNSではテンバガー(10倍株)を当てた話や、仮想通貨で資産を3倍にした話が日々飛び交い、「何かしなきゃ」と焦りを感じる人も多いでしょう。
でも、そんな「退屈で地味」なインデックス投資こそ、世界中の投資家が長期で成果を上げてきた合理的な手法です。
今回は、インデックス投資を「つまらない」と感じながらも、なぜそれでも続けるべきなのか? 3つの理由と具体例を交えてお伝えします。
理由①:感情を排して「平均点以上」を確実に狙える
インデックス投資の魅力は、市場全体の成長をまるごと取り込めることにあります。
● 「S&P500に勝てない」アクティブ投資家たち
ある調査によると、米国のアクティブファンドの80%以上が、10年単位でS&P500に負けているというデータがあります。
つまり、多くのプロでさえ市場平均に勝てないのが現実です。
たとえば、2020年に投資を始めたAさんとBさんのケース:
- Aさん:話題のテーマ株(EVや半導体)を売買して年間+3%
- Bさん:S&P500に連動するインデックスファンドを積み立てて+10%
この差は、1年では「少しの差」でも、10年で複利の力により大きな差となって表れます。
● 分析不要で「淡々と続けられる」仕組みの力
初心者でもできるのが、インデックス投資のすごさです。
- 毎月一定額を積み立てる
- 時間も手間もほとんどかからない
- 感情を入れずに、仕組みで淡々と続けられる
自分の感情やタイミング判断に左右されず、平均点以上を狙える投資法は他にほとんど存在しません。

理由②:「平凡」こそ長期的な勝利の秘訣
一発逆転を狙ってリスクの高い投資に挑む人が多い中、インデックス投資は「つまらないほどに安定している」のが特長です。
● 毎月3万円の積立が20年後どうなるか?
仮に月3万円を、年利5%のインデックスファンドに積み立てたとします。
- 元本:720万円
- 運用益:約1,180万円
- 合計:約1,900万円(=約2.65倍)
インフレや相場の上下はありつつも、過去の米国市場(S&P500など)では年5〜7%程度の平均リターンが期待できるとされています。
つまり、何もしなくても資産が2倍以上になる可能性が高いというのが、インデックス投資の現実です。
● 凡人にとって「継続」こそ最大の武器
たとえば、20代から月2万円を30年間積み立てたCさんは、最終的に約1,650万円(年利5%想定)の資産を築きました。
一方、40代から焦って毎月6万円を積み立てたDさんは、20年後に約2,480万円。
結果は似ていますが、Cさんの方が時間的・精神的余裕を持って投資を続けられたのです。
継続は地味ですが、最も確実で再現性の高い成功の鍵です。
理由③:暴落時に“最強のメンタル”を持てる
投資で最も怖いのは、「暴落でパニックになり、底値で売ってしまうこと」です。
インデックス投資は、その点でも非常に心強い武器になります。
● 例:2020年のコロナショック
- 株価は1ヶ月で▲30%以上下落
- 多くの短期投資家が損切り・撤退
- しかし半年後にはV字回復
このとき、淡々と積み立てていた投資家たちは、平均取得単価が下がり、回復後に一気に資産が増えました。
ある会社員Eさんは、毎月つみたてNISAでS&P500インデックスを積立中に暴落に遭遇。
怖くなったものの「自動積立だから続けるしかない」と放置し続けたところ、1年後には元本+20%という好成績に。
何もしないことが“最強の行動”となったのです。
おわりに:つまらないけど、だからこそ信頼できる
インデックス投資は、派手な成果や武勇伝こそ生まれにくいかもしれません。
しかし、その「つまらなさ」こそが感情を排し、資産形成を成功に導く最大の強みです。
SNSで飛び交う成功体験は、ほんの一部の人の「成功の切り抜き」にすぎません。
あなたの人生のゴールに確実に近づけてくれるのは、地味でも続けられる方法です。
「退屈だけど、確実に資産が育っていく」
それこそが、インデックス投資最大の魅力ではないでしょうか。