【2025年3月】SBI欧州高配当株式ファンド月次レポート解説|関税リスクと欧州景気のゆくえ

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はじめに|史上最高値更新から一転、不透明な欧州市場へ

2025年3月、欧州株式市場は歴史的な高値をつけたかと思えば、その後のトランプ政権による「相互関税」政策への警戒感や中国景気への懸念から、下落に転じました。

そんな中、「SBI欧州高配当株式(分配)ファンド」は、堅実な配当利回りと幅広い銘柄分散で、依然として安定したパフォーマンスを維持しています。

本記事では、最新の月次レポート(2025年3月)をもとに、ファンドの特徴や運用戦略、関税リスクへの対応、今後の展望についてわかりやすく解説します

ファンドの基礎データ(2025年3月末時点)

  • 基準価額:10,404円(前月比+100円)
  • 分配金:155円(1万口当たり/第5期)
  • 純資産総額:134.91億円
  • 組入株式比率:93.5%
  • 加重平均配当利回り:4.97%
  • 累計分配金:595円(設定来)

3月の欧州市場とファンドの運用状況

3月前半、STOXX Europe 600は好決算やウクライナ和平期待で史上最高値を更新。
しかし、トランプ政権の通商政策(相互関税)への懸念から月末にかけて株価は調整。指数は▲4.2%の下落となりました。

そんな市場環境でも、ファンドは月間プラス(+100円)で推移
これは、以下の銘柄群の堅調な動きによるものです:

  • ノルデア・バンク、DNBバンク:景気回復期待で上昇
  • ハイデルベルク・マテリアルズ:復興需要への思惑から堅調

一方で、

  • ノボ・ノルディスク:減肥薬の売上見通しに不透明感
  • LVMH:トランプ関税の影響懸念
  • エアステ・グループ・バンク:ローン訴訟リスク

といった銘柄が足を引っ張る形となりました。

柔軟な銘柄選定とポートフォリオの調整

3月は以下のような銘柄入れ替えが行われました:

✅ 購入銘柄

  • シーメンス・エナジー:再生可能エネルギー関連で成長期待
  • ロールスロイス:航空エンジン大手。業績見通しの改善を評価

✅ 売却銘柄

  • インドゥストリア・デ・ディセニョ・テクスティル(ZARA):業績懸念によるリスク回避

また、セクター別では「銀行」比率を増やし、「ヘルスケア」を減少させる動きがありました。
これは、高配当かつ金利上昇に強い銀行株への期待の現れと見られます。

トランプ関税リスクをどう見るか?

トランプ政権が示唆する「相互関税」は、EUとの通商摩擦を引き起こす可能性があります
ファンド側もこれを重大な不確実性と捉えており、以下のような見方を示しています:

  • 企業業績への直接的な打撃(価格転嫁・売上減)
  • インフレ上昇・消費低迷→欧州景気の下押し圧力
  • 金融政策の変更(ECBやFRB)に波及の可能性

今後の決算発表を通じて、関税の実質的な影響を見極める必要があるとしています。
つまり、一時的な不安材料として織り込まれた後、実態に応じて柔軟に運用するスタンスです。

GRANOLAS銘柄への注目も継続

SBI欧州高配当株式ファンドでは、伝統的な高配当銘柄に加え、GRANOLAS(欧州成長株11社)への投資も継続しています。

これらは、

  • 安定した成長
  • 強固な財務
  • 良好な配当

といった特性を持ち、「配当+成長」の両取りを狙えるポートフォリオの一角を形成しています。

代表銘柄例:Nestlé、Novo Nordisk、ASML、SAP、Rocheなど

今後の付き合い方|欧州の“堅実な分配源”として

2025年3月のレポートは、欧州経済と政治の両面での不確実性が高まる中、ファンドの守備力と柔軟性が光った内容でした。

以下のような投資家には、特に相性が良いファンドといえます:

  • 欧州分散投資をしたいが、個別株はハードルが高い
  • 円建てで欧州の高配当株に投資したい
  • 景気変動に備えて配当重視+成長も取り込みたい

おわりに|不確実な時代にこそ“ヨーロッパの底力”を味方に

SBI欧州高配当株式ファンドは、単に配当利回りが高いだけでなく、政治経済の変化に応じて柔軟な運用がなされている点が魅力です。

トランプ関税や中国の景気動向など懸念材料はありますが、欧州企業の底堅さと高配当の魅力に改めて注目すべき局面に来ています。

分配金だけでなく、今後の成長も視野に入れた資産形成に、本ファンドを活用してみてはいかがでしょうか。

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当ブログ管理人
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2017年にドルコスト平均法を知り、投資に興味を持つ。2018年の旧つみたてNISA開始と同時に資産運用を開始。老後資金2000万円を目指しコツコツと積立投資中。
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