20年後に差がつく!長期投資は株価指数インデックス1本でOKな理由
はじめに
長期投資を始めようと思った時、最も効率的な方法として「株価指数インデックスファンド1本」に絞る戦略が注目されています。インデックスファンドは長期にわたる「平均回帰の法則」の恩恵を受けやすく、リスクを抑えながら資産を安定的に増やすことが期待できます。また、債券を組み入れることなく、株式に集中投資する方が効果的とされる理由も存在します。
今回は、20年以上の長期投資において株価指数インデックスファンドが適している理由と、具体的におすすめのファンドをご紹介します。
株価指数インデックスファンド1本のメリット
インデックスファンドとは、特定の株価指数(たとえばS&P 500やMSCIオールカントリー)に連動する運用を行う投資信託のことです。インデックスファンドは、対象とする株価指数の動きに連動して値動きするため、分散投資が効率的に行えるのが特徴です。
1. 低コストで運用できる
- インデックスファンドは、市場全体を買う形で運用するため、個別銘柄の分析が不要で運用コストが抑えられます。特に、20年以上の長期運用では、コストが積み重なりやすいため、運用効率が高いインデックスファンドが適しています。
2. 高い分散効果
- S&P 500やオールカントリーのような主要なインデックスは、数百から数千の企業に分散投資しているため、リスクが分散され、特定の企業やセクターに依存しません。長期的に市場の平均的なリターンを享受することが期待できます。
債券が必要ない理由
株式投資に比べ、債券はリスクが低いとされ、リスク分散を目的にポートフォリオに組み入れられることが多いですが、長期的な資産成長を目指す20年以上の運用では、必ずしも債券が必要ではありません。
1. 長期ではリターンが株式よりも低い
- 債券は安定的なリターンを提供しますが、株式に比べて長期的なリターンが低く、20年以上の資産成長を目指す場合には株式の方が優位です。複利効果による資産増加も株式の方が高いため、長期運用においては債券を省く方が効率的です。
2. 平均回帰の法則が株式ではより強く働く
- 長期的に見ると、株式市場は平均回帰の法則によって、一時的な下落があっても安定した成長を遂げます。20年以上の投資期間がある場合、株式のリスクは短期的な債券の変動リスクよりも低くなる傾向があるため、株式インデックス1本で十分です。平均回帰の法則については、後ほど解説します。
3. インフレヘッジ効果が高い
- 債券はインフレ時に価値が下がりやすい一方で、株式は企業の成長とともにインフレに対して価値が維持されやすい特性があります。長期間でのインフレリスクを考慮すると、株式を中心とする方が資産の購買力が維持されやすくなります。
平均回帰の法則が働くからこそ長期投資が安定
ここで、なぜインデックスファンドが長期投資に適しているかを理解するために「平均回帰の法則」について説明しましょう。
平均回帰の法則とは?
平均回帰の法則は、株価やリターンが一時的な変動があっても、長期的には「平均的な水準」に戻る傾向があるという考え方です。たとえば、景気の低迷や企業業績の悪化で市場全体が下落したとしても、長期的には経済が回復し、株価も元の水準へ回帰する傾向があります。
長期投資で平均回帰が重要な理由
- 短期的な価格変動に左右されにくい
- 長期投資では、一時的な市場の上昇や下落にあまり影響されず、数十年の運用期間で平均的なリターンに収束しやすくなります。短期的な変動に翻弄されずに運用を続けることができ、リスクも抑えられます。
- 資産が成長しやすくなる
- 長期にわたり平均回帰が働くことで、経済成長とともに資産も増加していきます。特に米国市場やグローバル市場は、歴史的に見ると数十年単位で安定した成長を続けており、インデックスファンドの平均リターンが安定しています。
20年以上の投資に適したインデックスファンド
ここで、実際に20年以上の長期投資に適したインデックスファンドとして、S&P 500とオールカントリーを取り上げます。
S&P 500(米国株式市場)
S&P 500は米国を代表する500社で構成される株価指数で、米国経済の成長を反映します。米国経済は世界経済の中心であり、テクノロジーや金融など多様なセクターが含まれているため、成長が期待されます。さらに、歴史的に見てもS&P 500の長期リターンは非常に高く、平均回帰の法則が働きやすい市場です。
- メリット:米国経済の高い成長力により、長期的な資産形成に有利
- デメリット:米国に集中しているため、米国内の経済リスクに影響を受けやすい
オールカントリー(全世界株式市場)
オールカントリーは、全世界の株式市場を対象に投資するインデックスです。米国だけでなく、新興国や先進国の企業も含まれるため、地域分散が高く、世界全体の経済成長を取り込むことが可能です。新興国の成長も期待されるため、長期的に安定したリターンが得られるでしょう。
- メリット:全世界に分散投資ができ、リスク分散効果が高い
- デメリット:米国の成長力に比べるとリターンが分散される傾向があり、多少のブレが生じやすい
結論:S&P 500かオールカントリー、どちらを選ぶべきか?
S&P 500とオールカントリーのどちらが最適かは、それぞれのメリット・デメリットを踏まえて判断するのが理想的です。米国の成長に賭けたい場合はS&P 500、世界全体の安定成長を狙いたい場合はオールカントリーを選ぶと良いでしょう。
筆者自身は、米国の成長を信じつつも、地域分散の重要性を考慮し、S&P 500とオールカントリーを半分ずつ投資しています。これにより、米国市場の成長と世界全体の成長の両方を取り入れた、バランスの取れたポートフォリオを維持できています。
長期投資で資産を安定的に増やしたいと考えるなら、まずは自分の投資方針に合ったインデックスファンドを選び、平均回帰の恩恵を享受することをおすすめします。