S&P500に加えて日本株も?絶好調の国内市場に積み立てる価値を再検証

はじめに
2024年から2025年にかけて、日本株市場は目覚ましい上昇を遂げています。日経平均株価はバブル期の高値を更新し、TOPIXやJPX日経400も連日のように上昇を記録。国内外の投資マネーが日本市場に集まるなか、「今から日本株インデックスに積立投資をしてもいいのか?」と考えている人も多いのではないでしょうか。
本記事では、主要な日本株インデックスの違いや、今の高値圏での積み立てが有効なのかどうか、ドルコスト平均法の観点から解説していきます。
日本株インデックスの代表格とその違い
日本株のインデックス投資といっても、実はさまざまな指数があります。ここでは主な3つを紹介します。
日経平均株価(225種)
- 値がさ株の影響を受けやすく、ファストリやソフトバンクGの比重が大きい
- 「ニュースで見かける指数」だが、実は少数精鋭型
TOPIX(東証株価指数)
- 東証プライム上場の全銘柄を対象とする時価総額加重型
- 市場全体の動きを最もよく表しており、インデックス投資の王道
JPX日経400
- 財務健全性やROE(自己資本利益率)など「質」を重視して構成
- 長期投資家に人気だが、組入銘柄がやや頻繁に入れ替わる
いずれも投資信託やETFを通じて簡単に投資することが可能です。
なぜ今、日本株がこれほど強いのか?
日本株が上昇している背景には、いくつかの構造的な要因があります。
- 東証によるPBR改革要請:1倍割れ企業への改善要求が追い風に
- 海外マネーの回帰:米金利高でも円安が進行し、日本株が魅力的に映る
- 株主還元姿勢の強化:配当や自社株買いが活発化
- インバウンドと賃上げ:内需セクターにも明るい兆し
つまり、単なる景気循環ではなく、構造的な「日本買い」が始まっているという見方もできるのです。
高値圏で積み立てを始めても大丈夫?
「今は高すぎて怖い」と思っている方も多いかもしれません。しかし、ドルコスト平均法を活用すれば、高値掴みのリスクを抑えることが可能です。
たとえば、毎月1万円ずつ日本株インデックスファンドに投資すれば、価格が下がった月は多くの口数を、価格が上がった月は少なくの口数を自動的に買うことになります。結果として、取得単価は自然と平均化されるのです。
また、投資信託であれば完全な定額積立が可能なため、ドルコスト平均法の効果を最大限に活かすことができます。ETFでは金額指定ができず、余剰資金が残ることも多いため、この点では投資信託に軍配が上がります。
海外株との組み合わせで分散効果を高める
日本市場に注目が集まる一方で、全資産を日本株に偏らせるのは避けたいところ。S&P500やオルカン(全世界株)との組み合わせで、地理的分散を図るのが賢明です。
為替リスクや政策の違い、セクター構成のバランスも異なるため、日本株インデックスはあくまでポートフォリオの一部として考えるのがベストです。
日本株インデックスに投資するならこの商品
以下は代表的な投資信託・ETFです。
商品名 | 種類 | 信託報酬(概算) | 特徴 |
---|---|---|---|
eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) | 投資信託 | 0.143% | 業界最低水準コスト |
SBI・V・TOPIX | 投資信託 | 0.0938% | SBI系の低コスト新興ファンド |
1475(iShares TOPIX) | ETF | 0.07% | 大型ETF、出来高も豊富 |
1306(TOPIX連動型上場投信) | ETF | 0.11% | 伝統的ETF、分配あり |
ETFと投資信託の違いとしては、リアルタイム売買 vs 自動積立のスタイルの違いがあるため、生活リズムや投資方針に合った方を選ぶと良いでしょう。
まとめ:絶好調の今だからこそ、積立投資という選択を
相場が絶好調の時期に投資を始めるのは勇気が要りますが、だからこそ長期目線での積立投資が有効です。
- 高値掴みを避けるには「一括」ではなく「積立」
- 分散されたインデックスファンドを選べば、リスクも抑えられる
- 将来の下落局面にも備えられる“地道な戦略”こそ、強い武器になる
今の日本市場を前向きに捉えながら、無理のない範囲でコツコツと投資を始めてみてはいかがでしょうか。